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Intel Optane Memory シリーズ 16GB

記事公開日時 : April 25, 2017, 8:47 am
ACROFAN=權 容滿 | yongman.kwon@acrofan.com | SNS
この数年間フラッシュメモリー基盤「SSD(Solid State Drive)」の容量当たりの費用は下がる姿であり、多くのPCがSSDを基本に装着していて、多くのユーザーがSSDの装着を「必須」と考えているくらいだ。しかしまだ伝統的なハードディスクと比較すると、今までSSDの弱点とされていた耐久性などの技術的な部分はほぼ克服されたが、絶対的な費用対「容量」面での優位はまだ持っていかれていないことも事実なのだ。

これに今までの数年間ハードディスクの容量とフラッシュメモリーの性能を折衷しようとした試みは持続的に行われてきた。エンタープライズストレージで「ホットデータ」を分類して高性能の上位ティアストレージに引き上げる「ストレージティア構造」や小さな容量のSSDをハードドライブのキャッシュに使用してよく使うデータを上げて体感性能を高める「SSDキャッシング」、そしてこれを一つのドライブに統合した「ハイブリッドHDD」などが代表的であり、Intelも「SRT(Smart Response Technology)」というSSDキャッシング技術を既に備えている。

7世代のCoreプロセッサの200シリーズチップセットと一緒に登場した「Intel Optane Memory」はIntelの3D XPointメモリー技術基盤のSSD製品群と同じ名前を使用するがその用途とは違う名称である。PCでの「Optane Memory」も従来のSRTを繋ぐハードドライブのキャッシング技術だが、200シリーズ以降チップセットとRST 15.5バージョン以上のみ支援される。またキャッシングに使用するメディアが話題の「3D XPoint」技術基盤のその「Optane Memory」であることにも注目されている。

 
▲「3D XPoint」メモリー技術を活用した最初のPC用製品「IntelOptane Memory」

Intelで「Optane」は「3D XPoint」メモリーメディアを使用した製品のブランドで、OptaneブランドのSSDは「OptaneSSD」と命名され、現在発表された製品は「OptaneSSD DC P4800X」がある。そして今回の「Optane Memory」はPCで小さな容量のモジュールで既存の大容量のハードドライブのキャッシングを通じて性能を向上させる技術を示す。勿論どちらも話題の「3D XPoint」技術を使用し、このメモリー技術は従来のNAND基盤SSDよりはるかに速いアクセス時間を通じて持続的に均一な性能を提供し高い耐久性を備えた部分が特徴だ。

Intelの「Optane技術」は3D XPointメモリーメディアとIntelのストレージコントローラ、インターコネクトIP、ソフトウェアなどで構成される。そしてこの中で最も先に実体を披露させていたデータセンタ用の「Optane SSD DC P4800X」は高い反応性とIOPS性能、持続性と耐久性が目立つ特徴を見せており、こうした反応性を基盤とした「メモリードライブ技術(Memory Drive Technology)」を一緒に披露したりした。これはXeon基盤プラットフォームでOSミドルレイヤーのレベルでメモリーとOptane基盤SSDのサブシステムを統合、単一メモリープールに拡張できるようにしたのである。

PCでの「Optane Memory」技術は従来の「SSDキャッシング」などの概念と知られていた既存のSRTと類似した役割を遂行しているが、そのメディアが「3D XPoint」基盤ということや7世代のCoreプロセッサベースのプラットフォームに緊密に統合されてあるというのが大きな特徴だ。まだ全世界のデスクトップのうち80%に近い数がハードドライブベースのシステムで使用されており、PCで使用者経験の革新に最も大きな障害として指摘されているのがハードドライブの性能特性ということを考える時、このOptane Memory技術は市場でかなり納得できる技術でもある。

 
▲「Optane Memory」は3D XPointメディアとプラットフォーム、RST技術を組み合わせたストレージ加速技術

PCのハードドライブのキャッシング用途として披露した「Optane Memory」のモジュールはM.2 2280フォームファクタの断面構造で構成された。動作方式はNVMeでインタフェースの規格はPCIe 3.0 x2、最大2GB/s程度の帯域幅を期待できるほどだ。ここにIntelのNVMeコントローラーと一つ、或いは二つの16GB 20nm 3D XPointフラッシュメモリーを構成し、一つのメモリーの場合には16GB、二つメモリーでは32GBの容量を持つようになる。

諸元上の性能は16GB基準、順次読み込み最大900MB/s、順次書き込み最大145MB/s程度で、従来のNAND基盤SSDと比較して優位を持ってあると見ることは難しい。目立つ部分があったら無作為読み込み性能が190,000 IOPSに達するという点だが、無作為書き込み性能では35,000 IOPS程度でこれに及ばないこともある。一方、二つのメモリーを使用する32GBモデルは最大順次読み込み1,350MB/s、順次書き込み290MB/s、無作為I/O性能では読み込み240,000 IOPS、書き込み65,000IOPSで順次読み込み以外にはほぼ正確に二倍が増える。

このOptane Memory モジュールで目立つ他の部分があったら「耐久性」だ。このモジュールに使用される3D XPointメモリーは一つのメモリーを使用する16GBモデルでも書き込みの寿命は182.5 TBに達するほどだ。勿論32GBモデルも同じ書き込みの寿命を持っているが既存のNAND基盤SATAドライブに比べれば容量やモジュール数比では非常に高い水準の、エンタープライズクラスの寿命を備えていると言えるだろう。一方、MTBFは160万時間、製品保証は5年だ。

 
▲RST 15.5はOptane MemoryをシステムドライブとRAID構成の単一アレイで縛る

 
▲Optane Memoryを向けた特別なRAIDモードとOpROM、ストレージリマッピングオプションの全てが必要となる

PCでOptane Memory技術を活性化するためには7世代のCoreプロセッサ、B250以上M.2ソケットベースのストレージ構成を支援する200シリーズのチップセットベースのメインボード、そして「Optane Memory」モジュールが必要だ。そしてソフトウェア的にはメインボードにIntel RST(Rapid Storage Technology)15.5以上バージョンのRAID ROMが含まれたバイオスアップデートができていなければならず、Window運営体制でもRST 15.5以上のージョンが設置されていなければならない。

このOptane Memory技術の構成自体は以前のSRT(Smart Response Technology)とも類似した部分がある。ストレージコントローラをRAIDモードで構成し、内部的にソフトウェアを通じてアレイを構成、使用する形だ。そしてB250チップセットはその他のRAID構成を支援していないがOptane Memory技術を通じたストレージ加速技術は支援していており、これを向けた専用RAIDモードだけを許可する形だ。一方Window 10のインストール過程で別途のドライバーインストールが必要ではなかった。

Optane Memory技術の活性化のためにはメインボードのストレージ設定でコントローラー設定をAHCIなどで「Optane Memory加速」などのモードに変えなければならない。この時コントローラモードがRAIDに変わるほど、既存にAHCI基盤に設置された運営体制で起動が不可能なこともできる。以降RAID ROMロードモジュールの設定とOptaneモジュールのリマッピングオプションをつけて、WindowのRST 15.5設定でOptane Memory技術を活性化した後、再起動すると設定が適用される。

一方、この時バイオスですべての設定をしておいてもRST 15.5がインストールされ技術が活性化されなければキャッシングが動作しない。そしてアレイ構成をゆるめずメインドライブを交代する場合、モジュールの情報とアレイの情報が一致しなくて活性化などが不可能になる場合もあるが、この時はDiskpartなどでOptane Memoryを完全に初期化すると解決できる。またバイオスでリマッピングオプションをつける場合、テストシステムではバイオスでは消えるがRST上では見える特徴もある。

 
▲テストシステム構成

テストに使用したシステムはCore i7-7700kプロセッサと16GBメモリー、ASRockのB250M Pro4メインボードを使用した。テストに使用したバイオスバージョンはRST 15.5バージョンのROMが統合された1.51バージョンだったが、現在は2.00バージョンにOptane Memory技術を公式支援している。また、テストに使用されたRSTバージョンも15.5.0.1035アルファバージョンであったが、大庭のメインボード製造メーカーがOptane Memoryの公式販売に先立ちRST 15.5.0.1051以上のバージョンを使用者に提供している状況だ。

テストシステムのストレージはSATA方式の1TBのハードドライブ、120GB SSDを使用し、ここにOptane Memory技術を活性化して得られる性能向上面を確認した。そしてOptane Memory技術などの「ハイブリッド」構成では、使用パターンなどによってキャッシングされたデータが変わりまったく異なる結果が出る可能性もあるという点も勘案する必要がある。しかしOptane Memory技術の場合、キャッシングデータを選ぶ学習において予めプリセットを持って事前構成をする姿もあった。

テストシナリオはモジュールの基本的な性能とともにPCMark8の各シナリオの繰返し実行とストレージテスト、SYSMark 2014 SEの各シナリオごとの繰返しテストを通じた結果を確認した。そして一般的なキャッシング技術やハイブリッドドライブの場合、学習の反映まで約3サイクル程度が必要と知られていて、これを反映して同じテストを3~5サイクル繰返して測定した。この時、Optane Memory技術は3サイクル前にキャッシングが反映される姿を見せるのも印象的な部分だった。

 
▲IOMeter 1.1.0(Sequential Read/Write)テストの結果、単位MBps、高いほど良い

 
▲IOMeter 1.1.0(Random Read/Write)テストの結果、単位IOPS、高いほど良い

IOMeterを通じたモジュールの基本性能や特性確認で順次読み込み・書き込みの性能はメモリーの特性やインタフェースなどでの期待にはやや及ばない憾みがある。特に読み込み性能はSATA SSD以上の結果を見せたが、書き込み性能が150MB/s程度に止まる部分で物足りなさが残る。32GBモデルの場合には書き込み性能で二倍ほどの性能を備えているだけより良い結果を期待できるのではないかと考えられる。

4KBの無作為読み込み・書き込みの性能では、抜群の読み込み性能が目立つ。特にQD4くらいから17万IOPS程度の性能を見せるということから反応性の面での性能は良い点数を与えることができるはずだ。書き込み性能もまた、QD4くらいからピーク性能に近い水準を見せているだけ「反応性の改善」というOptane Memory技術の趣旨の部分にはかなり相応しい特性であると見ることができるだろう。32KB程度ブロックの3:1無作為混合ワークロードでは書き込み性能に多少足を引っ張られている姿が現れている。

勿論モジュールが見せてくれる比較的低い書き込み性能がOptane Memory技術の活用においては個人的な憾み以上の意味は持たないと思われる。この技術の活用は主にハードディスクの弱点とされる小さなファイルの読み込み作業に集中されているためだ。そしてこの時、低い負荷でも高い水準の読み込み性能が出る部分は、よく最適化された環境では快適な反応性を期待できる部分でもある。

 
▲PCMark 8テストの結果、高いほど良い

 
▲PCMark 8ストレージテストの結果、単位秒、低いほど良い

 
▲SYSMark 2014 SEテストの結果、高いほど良い

PCMark 8のシナリオテストでOptane Memory技術を使用したシステムはそうでないシステムより少しでも高い結果を一貫的に示すことを確認することができる。性能向上水準はテストのうちストレージの比重によって異なるが、ハードドライブにOptane Memory技術を使用する場合のシナリオテスト性能水準はハードドライブとSSDの間くらいでどの程度の実質的な効用性がある姿を見せる様子である。

また、PCMark 8でOptane Memory技術はハードドライブとの組み合わせだけでなくSATA SSD基盤PCでも若干の性能向上を期待できる結果を示している。これは一般的なSATA基盤SSDよりOptane Memory技術のモジュールがさらに高い読み込み性能を備えているためと見られる。一方、アプリケーションごとのローディング時間テストでOptane Memory技術はハードドライブに比べあるくらいの明確な性能向上を見せたが、SSD対比ではほとんど差がない姿を見せたりもした。

実際の番組を基盤とする「SYSMark 2014 SE」テスト結果で、Optane Memory技術はハードドライブとの組み合わせでは明確な性能向上を見せているが、SSDとの組み合わせでは性能が落ちる様子を見せている。テストシナリオのうちOptane Memory技術が最も良い影響を及ぼす部分では「Media Creation」があるが、この部分からハードドライブとOptane Memoryの組み合わせはSSDに匹敵する点数を見せている。

一方「Data/Financial Analysis」ではハードドライブとSSD、Optane Memory技術間の性能差がはっきりと現れており、SSDにOptane Memory技術組合のとき性能が下がる様子を見せもしたのは書き込み性能が反映されたためと見られる。また「反応性」側面からハードドライブに比べOptane Memory技術との組み合わせは二倍近い性能向上を見せたが、SSDの性能とはあるくらいの差があり、SSDにOptane Memoryを組み合わせた場合は性能が下がる姿も見えた。これに全体の点数でもSSDにOptane Memoryを組み合わせた場合にはSSD単独使用より性能が低かった。

 
▲Intel Optane Memory主要諸元

7世代のCoreプロセッサ基盤のプラットフォームで活用できる「Optane Memory技術」は既存のSRT技術対比ハードウェア技術が結合されたのが特徴で、特に現在PCで「3D XPoint」メモリー技術を使用できるほぼ唯一の方法だという意味もある。そしてよく整備されたキャッシングアルゴリズムとある程度のいい容量のおかげで一般的なハイブリッドドライブや以前の技術よりさらに均一な性能向上を安定的に得ることができるようになったというメリットもある。

現在の時点でOptane Memory技術の最も大きな競争相手は最小限のシステムドライブに使えるレベルの容量を持つ120GB対SSDになるものとみられる。知られた価格帯を考えばPCの使用に十分慣れたユーザーなら適当なSSDとハードドライブを同時に使用することにより、最も定石的に期待できる高い性能を得ることができるためだ。勿論これは運営体制の設置後データの保存スペースの使用者の指定など、環境設定での使用者の知識と努力が必要な部分だ。

そしてOptane Memory技術は「一般使用者」を対象とする。大容量ハードドライブとOptane Memory技術を活用する場合、使用者の側面では低容量SSDと高容量のハードドライブの組み合わせよりは便利な環境を提供できるからだ。特に運営体制レベルまで構成されて伝達される完成品PCなどで、Optane Memory技術は使用者に便利に改善された性能を得られる魅力的な方法になるものとみられる。


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