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HPE ProLiant MicroServer Gen10―技能

記事公開日時 : August 20, 2017, 7:13 pm
ACROFAN=權 容滿 | yongman.kwon@acrofan.com | SNS
あえて「エッジコンピューティング」まで考えなくても、いつもインターネットに接続されている時代に使用者と最も近いところにあるサーバーとストレージは多くの便宜を提供している。特に多く使われるNAS(Network-Attached Storage)が気軽に便利に共有ストレージ機能といくつかのサービスを十分に満足に提供しエンタープライズ環境で「遠隔地サーバー」の役割を相当部分代替していっている

HPE(Hewlett Packard Enterprise) ProLiant MicroServerはこのNASとサーバーの間でお互いの惜しさをよく埋める独特な位置にある。小さなシャーシに省電力高効率と高い信頼性を備えた特有のコンピューティングプラットフォームを備え、ハードドライブ四つを容易に活用できるようにした構成は家庭や小さな事務室程度の規模で気軽に活用できるストレージ中心の小規模サーバーを求める人たちに地道な人気を得てきたことがある。特に以前の世代である「MicroServer Gen8」はiLOコントローラを通じた強力な遠隔管理を提供して本格的な「エンタープライズ級」の姿を見せたりもした。

'HPE ProLiant MicroServer Gen10'は既存の長所だったフォームファクタと信頼性の面は維持しつつ、家庭や小規模の事務室での多目的なシステムへの機能性を補強した構成を備えた。AMD Opteron APUを使用したサーバー級のプラットフォームを基盤とするMicroServer Gen10モデルは以前世代では探せなかった実用的なグラフィック性能で家庭と事務室などで多様な形態への活用が可能である。また、基本的に提供される「ClearOS」はこのサーバーをNASのように遠隔で手軽に構成、活用できる環境を提供する。

▲全面ベゼルはプラスチック一本構成だが、ハイグロシ材質に若干の趣を残した

▲後面では以前世代では期待できなかったディスプレイポート端子を見ることができる

外形は以前のGen8よりはもっと単純に変わった様子だ。以前世代は全面ベゼルにドライブベイのため別途のドアまで構成したなら、今回世代の全面ベゼルはその全体がドアの形で開かれる単純な構成だ。また、全面ベゼルからアクセスできるスリムODDフォームファクタのメディアベイには、ODDあるいはSATA SSD一つを活用することができる。全面ベゼルのロック装置も備えていてベゼルの離脱による問題を防止できるようにした。

全面ベゼル後にはドライブベイを見られるが、今回の世代のドライブベイは構造自体から簡素化されたことが発見できる。今回の世代のドライブベイの構成は以前世代より最も簡単な形で基本的な維持補修機能を提供しており、ハードドライブの装着はドライブ端のねじの穴にケースにあるねじを組み立てた上にハードドライブのねじをレールに合わせて押し入れたことだけで十分だ。ホットプラグのような高級機能を提供していないが、基本的な保守性では以前世代での長所を維持している。

後面構成では以前世代とは多少違う性格を確認することができる。USBポートは四つで二つはUSB 2.0、二つはUSB 3.0規格に沿っている。また、ギガビットの連結を支援するイーサネットポートを二つ備えておりさまざまな形での活用を期待できる。一方、今回の世代で目立つ部分は二つのディスプレイポート(DP:DisplayPorts)1.2ポートだが、APU内蔵グラフィックコアを基盤に4K解像度とデュアルモニターの構成などを活用できるようにしたものが目立つ。この他にも二つのPCIeスロットを外部から活用もでき、RAIDコントローラやネットワークアダプターなどの拡張に適している。

▲メインボードは維持保守のため容易に分離できる仕組みである

▲最大TDP 35W級 Opteron X3000シリーズAPUをパッシブ冷却の形態に構成した

▲メインボードの拡張スロットの後は開けており、LP規格のほぼ全てのカードを使用することができる

メインボードはシャーシにスライディング方式で構成されて後面ねじ一個を解き、内側のケーブルを分離して引っ張り出せば容易に分離することができる。また、両端にメモリー拡張やケーブルリングを配置してプロセッサの交替やPCIeカード装着などの大きな仕事じゃなければメインボードを分離することもないようにした構造的配慮も注目される。システムクーリングは後面の大型ファン一つとパワーサプライの小さなファン一つぐらいに解決して大体の場合で騒音をほとんど発生させない。

HPE ProLiant MicroServer Gen10はAMDのOpteron X3000シリーズAPUを基盤としており、選択できるプロセッサの最大TDPは35Wほどで前世代と類似した水準だ。このAPUは現在のZenアーキテクチャではなくCarrizo APUなどで使われたExcavator基盤のサーバー用のAPUで、デュアルあるいはクワッドコンピューターコアと3世代GCN基板のGPUを内蔵している。プロセッサの冷却はパッシブの形態で構成されていて騒音を発生させない。

メモリーはサーバーにふさわしい安定性のためのECCをサポートする最大二つのPC4-2400T DDR4 UDIMMを使用して、最大構成可能容量は32GBだ。拡張のためのPCIe 3.0スロットはx1一つとx8一つが用意されており、裏側が開けていてPCIe x16カードを装着するのにも問題がない。これに装着スペースが出てくるLP規格カードなら別途のRAIDコントローラオプションを活用することもでき、あるいは別途のグラフィックカードを装着することまで考えてみることができるほどだ。

▲3.5型SATA 4個を支援するベイは機能と利便性に充実した単純な構造を備えた。

▲ストレージコントローラーは別途のMarvell第SATA3コントローラを装着した

MicroServer Gen10の基本ストレージの構成で重要な特徴としては最大4つの3.5型LFF SATAハードドライブを使用できるドライブベイの存在が挙げられる。今回の世代のドライブベイは、別途のトレイなどを使用せずハードドライブにねじを組み立ててこれをレールのガイドで使って簡単に装着・脱着できるようにした。これは構造的にも簡単で使用においても便利だという長所を提供する。勿論このシステムに使用するねじが俗に言う「星ねじ」であり、別のツールが提供されないだけ別途のマイナスあるいは星の模様のドライバーを準備しておいた方が良い。

また、今回の世代のMicroServer Gen10が見せる独特な特徴はプラットフォーム内臓ではなく別途のストレージコントローラーを使用するということだ。ストレージコントローラーとしてはMarvellの88SE9230 SATA 6Gbpsコントローラを使用するが、PCIe 2.0 x2レーンで4つのSATA 6Gbpsのポートを提供してRAIDは0、1、10程度を支援する。このコントローラは既に多様なメインボードとNASなどでも活用されたところである。公式的に構成可能な最大容量は4TBドライブ4つの16TBほどだ。

ネットワークはサーバーなどで多く活用されたことのあるBroadcomのBCM5720デュアルポートギガビットコントローラーを使用している。これを通じて二つのギガビットイーサネットを支援し、運営体制とドライバー構成などによって別途の連結で構成したり、連結二重化などに活用できる。一方、パワーサプライの容量また以前世代より少し増えた200Wほどの容量を提供しており、システム構成を考えるとき用量の面では十分な余裕を備えているとみなされる。

▲Gen10はグラフィック性能を強化して二つのディスプレイポート出力を備えた

HPE ProLiant MicroServerがGen10になりながらシステム構成での性格も少し変わったようだ。以前のGen8が本格的なサーバーに準ずる機能を備えていたら、今回のGen10はもっとPCベースのシステムに近い姿を見せるようになったのだ。この部分が一番大きく感じられる部分はiLOを通じて提供されていた強力な遠隔管理機能が抜けた部分、そして比較的強力なグラフィックコアと高品質のディスプレイ出力を支援する二つのディスプレイポート端子を搭載した部分がある。

Opteron X3000シリーズAPUに内蔵された3世代GCN基板の内蔵グラフィックコアは一般PCでも日常的な作業やマルチメディア、若干のゲーミングに至るまで広く活用できるほどの実用的な性能を備えているのが特徴だ。これにそれ以前世代のグラフィックコアが単に初期設定などの「画面出力用」程度に止まっていたら、今回の世代は家庭の居間などでメディアプレーヤーなどでも十分に活用できる水準を備えた。

特に、両ディスプレイポート端子はMicroServer Gen10のAPUが備えた機能をもっと多彩に活用できるようにする。ただ声なく黙々と回るサーバーであるだけでなく、必要に応じて既定などから活用できるストレージ中心のPCへの役割も期待できるようにするからだ。勿論このグラフィック関連機能を十分に活用するためには現実的にLinuxやWindowsサーバーではなく一般利用者用のWindowsを使用しなければならず、これによった残念な部分は使用者がまた悩まなければならない部分でなる。

▲今回のMicroServer Gen10に基本的に提供されるOSは「ClearOS」だ

Gen10はiLOが除外されながら初期構成過程が少しPCに近い姿を持つようになった部分もある。iLOが提供する遠隔管理機能がない分、初期設定はローカルで進行しなければならず、運営体制の初期設定なども直接進行しなければならない。しかし、そうとして設置過程がそれほど難しいのではなく設置しなければならないドライバーまた運営体制によって異なるが多くはない。特にレッドハット系列のLinux配布版の場合、設置後とくに残念な部分がないほどだ。

iLOが抜けながらシステム構成とファームウェアなどの特性面で選択可能な運営体制の幅もかなり広くなった。最も普遍的なCentOSなどレッドハット系列のLinux配布版は勿論、最新世代のWindows運営体制など用途に合った選択が可能であり、HPEまたレッドハット系列のLinux配布版を基盤とする独自のプロジェクトである「ClearOS」をバンドルとして提供している。事実これは運営体制選択の幅が広くなったというよりはシステム推奨の運営体制提案側面が無くなったというものにみならせても良いほどだ。

運営体制の選択はこのシステムのどのような機能を活用するかによって変わるだろう。ストレージを中心にした伝統的なサーバーの役割ならやはり最も慣れたLinux配布版が無難だろうし、ディスプレイポートやグラフィックコアのマルチメディア機能のためなら一般利用者用Windows10のような選択も可能だろう。あるいはVMware ESXiのような仮想化を活用することもあるだろうし、ClearOSやFreeNASなどで商用NASとサーバーに準ずる機能を遠隔で楽に使用する選択も可能である。

▲強力なウェブ基盤のインタフェースで簡単に使用できるClearOS

HPEが今回のMicroServer Gen10で基本構成として提供するClearOSはレッドハット系列の特性を備えたLinux配布版で、ウェブインタフェース基盤の構成と管理、使用環境とアプリ構成に向けたマーケットプレイスまでよく揃っているのが特徴だ。現在無料で使用できるコミュニティエディション以外にも費用を支払って使用するホーム、ビジネスエディションなどが提供されているが、単一配布版で設定を通じてライセンスを適用できるようにしている。

ClearOSは出庫の時、ハードドライブが設置された仕様なら基本適用されており、これをそのまま維持するかあるいは除去するをユーザーが選択できる。再構成や再設置などもメニューを通じて容易にできる。勿論別途にホームページでダウンロードして設置することもでき、基本パッケージの設置後にローカルでネットワークインタフェースの設定くらい可能で、画面にはウェブ管理画面で接続し得るアドレスほどのみ現れる。つまり初期の設置が終わるとローカルでできることがほとんどない。

ウェブ管理道具は機能の構成と活用などに向けてよく整っており、アプリの構成に向けたマーケットプレイスには多様なサービスを見つけることができる。このうち自分に必要なものを探して設置して構成することができる。基本共有ストレージやメディアサービスは勿論、VPNファイアウォール/ルータなどの構成と簡単なサービを向けたサーバー構成も可能である。この他にもレッドハット基盤配布版のリポジトリを連結して活用することができ、事前定義されたマーケットプレイスのパッケージ以外にも多様な構成が可能でもある。

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