ACROFAN

中国国際航空が2017年上半期決算を発表

記事公開日時 : September 25, 2017, 11:53 pm
ACROFAN=金 炯根 | hyungkeun.kim@acrofan.com | SNS
中国国際航空(「エアチャイナ」ないしは「同社」、子会社を含め「グループ」と表記)は31日、2017年6月30日に終了した上半期決算を発表した。

▽事業ハイライト

*売上高は前年比8.82%増の587億4600万人民元

*営業費用は前年比15.12%増の529億3900万人民元

*税引前利益は前年比2.67%増の51億7400万人民元

*純利益は前年比3.33%増の39億2100万人民元

2017年上半期は、アウトバウンド旅行需要が引き続き力強さを見せ国際輸送が順調に伸びたことから、中国の旅客空輸市場は需要・供給ともに引き続き堅調で、貨物輸送事業には回復の兆しが見られた。旅客ロードファクターは効率の改善と積極的な輸送力展開を背景に順調に上昇した。グループはコア事業における競争優位を強化するため、慎重な事業規模の拡大・効率の最適化・イールド改善およびコスト管理の強化によって市場機会を利用してきた。燃油価格上昇などのマイナス要因にもかかわらずグループは上半期に好業績を上げた。

▽財務ハイライト

グループの2017年上半期売上高は前年同期比8.82%増の587億4600万人民元となった。

航空旅客収入は前年比8.02% 増の510億5200万人民元、航空貨物収入は前年比19.65%増の 44億8700万人民元となった。

営業費用は529億3900万人民元と、2016年上半期の459億8700万人民元から15.12%増加。燃油費は主に燃油価格の上昇により前年同期比40.11%増の39億200万人民元だった。

純利益は前年比3.33% 増の39億2100万人民元だった。上半期のグループの為替差益は12億7000万人民元となり、米ドルの対人民元安による前年同期16億9800万人民元の為替差損から改善した。

▽事業レビュー

2017年上半期、有効トンキロ(ATK)で測定した同社の輸送力は前年比3.77%増の171億4200万、有償トンキロ(RTK)では同6.35%増の120億9200万となった。

同社は効率改善に向けた経費管理の厳格化、戦略的シナジー強化、リソースの組織的構成の最適化およびコスト競争優位の維持を行っている。社内外の調整の強化を通じて株式売出しの好機をとらえA株の再売り出しに成功、112億人民元を調達した。

▽旅客

2017年上半期、グループは前年比5%増の4920万人の旅客を輸送した。有効座席キロ(ASK)で測定した旅客運送能力は4.94%増の1189億9200万だった。国内線および国際線の輸送力はそれぞれ4.96 %、6.41%増となった一方、地方路線では7.40%減少した。有償旅客キロ(RPK)で測定した全体的な旅客輸送量は6.53%増の964億1500万だった。国内線および国際線の旅客輸送はそれぞれ6.30%、8.47%増加したが、地方路線では。前年比6.65%の減少となった。旅客ロードファクターは1.20パーセントポイント上昇し81.03%だった。RPK当たりの売上は前年比1.42%増の0.53人民元となった。

2017年上半期、グループはボーイング787-9型機2機を含む航空機16機を導入、11機を段階的に退役させ、フリートとネットワークの体制を強化した。同社のフリート総数は628機、平均使用年数は6.53年である。上半期同社は慎重にネットワークを拡大・発展することでハブネットワークを効果的に改良、グローバルネットワークを継続的に最適化した。国家戦略である「一帯一路」構想の展開および北京・天津・河北の統合と連携して、同社は北京からアスタナ、チューリヒへの各国際線ならびに北京・鄭州・邵陽を結ぶ国内線を就航し、欧州の17都市と国内の複数の都市を荷物のスルーチェックインサービスにより北京経由で結び、北京のハブ空港としての接続能力を一層高めた。一方で、同社は上海インターナショナルゲートウエー、成都および深センのリージョナルハブ開発を継続中である。上海-バルセロナ、成都-カシュガル、杭州-六盤水、香港-運城などの新路線就航(路線再開を含む)により路線ネットワークはさらに拡充している。2017年6月30日時点で、同社の旅客輸送路線は国内287路線、国際106 路線、地域15路線を含む6大陸・408路線に拡大している。同社のネットワークは39カ国・地域に広がり、国内115都市、海外66都市、地域3都市を含む184都市をカバーする。スターアライアンスによって同社の路線ネットワークは191カ国1307の目的地に及ぶ。

同社は精力的にイールド水準の改善に取り組み、ビジネスモデル転換を加速し、中核となるブランド価値を高めた。2017年上半期のビジネス旅行が徐々に持ち直す中、同社は主要市場の国内線へのワイドボディ機導入を大幅に進めた。国内輸送の堅調な伸びを背景に同社は価格優先戦略を効果的に実施し、業界をリードするイールド水準の競争優位を一層強化している。プレミアムクラスの価格体系の最適化とプレミアムクラスの顧客リソースの拡大によって同社はプレミアムクラスのイールドおよび売上への貢献度を大幅に改善し、国内線・国際線の売上をそれぞれ前年比22%と7%伸ばした。

同社の革新的なビジネスモデルとして、モバイルアプリは6回のアップグレードを重ね、遅延便の荷物照会などを含む複数の機能で乗客の旅行体験をさらに改善している。新たな収入源を見定める継続的な取り組みの一環として、2017年上半期は座席選択料および搭乗ゲートでのアップグレードなどの付随サービスの売上は前年比68%増だった。「Phoenix Miles」の総会員数は4628万人に上り、キャンペーンの増加とともに売上への貢献度は前年同期比で23%増となった。ブランド戦略は前進を続け、ブランドイメージのデザインは適切な形で完成した。「2019 China Beijing World Garden Exhibition」とのブランディング提携で中国国際航空は最高級のグローバル・パートナーならびに唯一の航空会社スポンサーとなった。ブランド価値は着実に向上し続けている。

▽航空貨物事業

2017年上半期には、国際輸送市場の成長加速の兆しが現れ、世界貿易の回復が加速した。しかし、中国経済変革の中で国内市場の成長は比較的緩慢だった。Air China Cargoは、ビジネスモデルを積極的に変え、旅客事業と貨物事業との提携を継続的に強化し、荷物室のロードファクターを着実に改善した。路線構造はマージン・コントリビューションを高めて最適化されてきた。基幹ルートの利点をリソース共有を通じて活用することで、新しいビジネスイニシアチブが進展し、良好な結果をもたらした。これらの様々な措置が、貨物事業が収益性を維持するための困難な運用環境に積極的に対処するために行われた。

2017年上半期のAir China Cargoの有効貨物トンキロ(AFTK)は、前年同期比1.90%増の64億800万、有償貨物トンキロ(RFTK)は6.20%増の35億3100万となった。貨物と郵便物のロードファクターは2.23ポイント上昇して55.09%となった。カーゴイールドは1.27人民元で、前年比12.66%増えた。

▽見通し

今後、中国の経済成長は安定軌道を継続し、民間航空市場は急速な成長を続けるだろう。同社は、業界内の競争、とりわけ国際市場を中心とした競争が激化し続け、事業環境が複雑さを増し、原油価格変動や地政学的リスクからくる不確実性が続くことを認識しつつ、戦略的機会を活用することを目指している。同社は今後の機会と課題に取り組むうえで、「国際競争力のあるメガネットワーク航空会社」となるとの目標に焦点を定め、慎重な経営理念の維持、イノベーションによる改革の深化、国際市場での競争優位性の強化に注力して、株主や社会へのより良いリターンを届ける。

Copyright ⓒ Acrofan All Right Reserved
 

Acrofan     |     Contact Us : guide@acrofan.com     |     Contents API : RSS

Copyright © Acrofan All Right Reserved