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[メディア・アクチュアリー]製品を越えてコンテンツまで、トレンドキーワード「コラボレーション」の秘密

コンテンツキュレーター徐希禎博士の[Media Actually]
あなたのコンテンツの経験にストーリーを加えたコンテンツのキュレーター、徐希禎(ソ・ヒジョン)です
記事公開日時 : June 21, 2018, 10:15 pm
ACROFAN=徐 希禎 | press@acrofan.com | SNS
 
6月13日に実施された地方選挙当時、MBC放送局はFMラジオの看板番組「ペ・チョルスの音楽キャンプ」のフォーマットを借用して選挙放送を進行した。実は今まで放送局の開票放送で有権者に楽しさと情報を伝えるために色んな努力を試していたが音楽番組のフォーマットを持ってきたのは初めてだ。まさに音楽番組と選挙放送番組の成功的なコラボレーションであった。

「コラボレーション」は異種企業が一定の目標を持って利用者に新たな体験を伝えるために行う協業を意味するもので、主に「商品」で活発に表れている。実際に「limited edition」商品を購入するために一部の消費者が一晩中並ぶ現象を指す「キャンプ現象」もまたコラボレーション商品が牽引車の役割をしたと言っても過言ではないほどにコラボレーションはもうすでに成功したマーケティングの方法として通用されている。

ところが最近、製品やサービスの領域を越えて「コンテンツ」でもコラボレーション現象が続々登場している。それほど一人であるよりコラボレーションで協業する際の認知度や売上における肯定的な効果を見せているからである。代表的に2011年の高級ブランドのVersaceとSPAブランドのH&Mがコラボレーションして、全世界的に絶大な人気を集め「Versace大捷」と言われるほどだ。このようにコラボレーションが成功マーケティングとして数えられているため最近はフード、薬品などの様々な領域でコラボレーションを試みている傾向である。しかし実際にコラボレーションは成功する可能性が大きいほど失敗する可能性も非常に高いが、それについては議論されていない。

それならコラボレーションの成功と失敗を決める紙一重の差にはどんな法則が隠されているのか?コラボレーションの核心は何よりも「経験の拡張」にある。この「経験の拡張」はそれぞれの経験の深さと広さを意味する。ほとんどコラボレーションをお互い異なる領域間の出会いで作られる新しい経験だと思うが、実際に成功したコラボレーションは既存の各要素が持っている経験がアップグレードされている、すなわち経験の深まりを提供しなければならない。例えばAの製品がB製品とコラボレーションすることでAまたはBの製品に対した肯定的な経験が減ったり、消えたりしてはならず、むしろより倍になる形で進めなければならないということだ。

次は経験の広さの拡張だが、お互い異なる領域が出会うことで既存の二つでは体験することができなかった新しい経験を感じさせるようにしなければならない。つまりA+Bが結合しながら単純にABの形ではなくCのような風変わりな価値を提供しなければならないというものである。このときCは利用者が想像できないほどに新鮮なほどより成功的なのだ(ただし、これもまた既存の肯定的な経験を損なわない線で)。また、コラボレーションは必ず新しい経験だけでなく既存のAまたはBについて持っていた否定的な経験を相殺させる方向でも進むことができる。

これにより、コラボレーションはただ新しい変化を与えるために試すものではなくマーケティングしようとする製品のどのような経験に深さを与えるのか、またはどのような経験の範囲を広げるかを考慮して行わなければならない。これを考慮していないままコラボレーションをしようとする場合、既存の肯定的な経験さえ崩すかもしれないということを留意しなければならないのだ。

■「コンテンツコラボレーション」どこまでやったみた?コンテンツコラボレーションの法則3つ

もう選択ではなく必須になったコラボレーション。コラボレーションが企業マーケティングの必須コースに定着されたのでは何よりも企業の立場から新製品やサービスを発表するたびに投入される費用と労力、リスクなどは削減しながらも、売上はある程度確保することができるという魅力のためだ。これらの理由からオフライン商品中心に進行されたコラボレーションは最近コンテンツ領域にまで拡張された。実際コンテンツコラボレーションといえば商品コラボレーションと似ているが、コンテンツコラボレーションはコンテンツを制作する過程から流通、消費に至るまでの全過程でコラボレーションを試してみることができるという点で独特な特徴を持っている。したがって各ステップの法則を理解するとコンテンツコラボレーションをより面白く楽しむことができる。

一番目は製作コラボレーションだ。制作コラボレーションは異なるコンテンツのIPが一緒に新しいコンテンツを作ったり、1つのコンテンツの中に他のコンテンツのIPが投入される形態である。前者の場合には代表的に映画「Avengers」を挙げられる。コラボレーションがOSMU(One Source Multi Use)と他のこともOSMUの場合、原作コンテンツのIPを活用して個別的な2次創作物を作り出すことであることに比べ、コラボレーションはそれぞれのコンテンツを集め一つの大きなストーリーを作り出すトランスメディアなのだ。つまり、コンテンツの接続性と相互作用性が維持されるのだ。映画Avengersのキャラクターはそれぞれ個別の話を保有しながらもまたそれぞれが集まって一つの新しい物語を作り上げる。後者の場合にはMBCの芸能プログラム「無限挑戦」がある。「無限挑戦」はメンバーたちが毎週新たな挑戦をすることにより既存のコンテンツとのコラボレーションを生み出す。また、最近1人クリエイターたちが三々五々集まって合同放送をすることもここに属する。

二番目は流通コラボレーションだ。表現だけを見ると非常に不慣れだが、これはコンテンツとプラットフォームのコラボレーションを意味する。既存の流通プラットフォームがあるにもかかわらず新しいプラットフォームに提供することにより肯定的な消費体験を提供する形態である。このような点で流通コラボレーションは新しいコンテンツの経験よりコンテンツの利便性や信頼性などの肯定的な経験を与えようとするとき主に使用する。一時ディズニーコンテンツがネットフリックスに単独供給したことがここに属する。別の例としては選挙シーズンに国内TV放送局がソーシャルメディアやポータルサイトに選挙放送関連コンテンツを提供したことも挙げられる。

最後には消費コラボレーションだ。消費コラボレーションは単にコンテンツを消費することからさらに利用者が参加したり、これをオフラインで再び消費できるようにオフライン上で拡張させた形である。消費コラボレーションは私たちがよく知っているキャラクター商品とは違う。キャラクター商品はキャラクターを販売するために別の商品を作ったのであれば、消費コラボレーションは既存の商品にコンテンツのIPを重ねることにより既存の商品が持っている経験やコンテンツの経験が結合される形態である。例えばJTBCのドラマ「The Package」はフランチャイズのコーヒー専門店「TOM N TOMS」と一緒にドラマのビハインドストーリーとキャラクター紹介が入った「The Packageセットメニュー」を発売している。

このようにコンテンツコラボレーションはすでに我らの日常の中で深く掘り下げてコンテンツ利用者に新たなメディア体験を与えている。何よりもコラボレーションで重要なのは異なる2つの「出会い」ではなく2つの出会いを通じた「経験拡大」ということを忘れなければならないのだ。


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