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[カンター]セレブが登場する広告キャンペーン:世界と韓国での長所と短所を比較する

KANTAR Millward Brown Korea常務兼クリエイティブドメインリーダー、スバシッシュ・ダスグプタ(Subhashish Dasgupta)の洞察、そして分析
記事入力 : July 18, 2018, 8:59 pm
ACROFAN=KANTAR | info@kantar.com | SNS
よく「セレブ」と呼ばれる有名人は世界各地の広告に登場する。適切な有名人を適切に活用すれば言うまでもなくブランドの強力な資産となる。しかし、有名人を起用した広告が効果的であろうという保証はない。大体有名人が登場する広告と登場しない広告の成果を比較すると大きい差はない。しかし、有名人の登場は広告をより効果的にすることができる。ここで重要な点はこのように有名人を起用するときにはリスクがあることを忘れてはならないというものである。その有名人がブランドに適しているか計るには目標顧客の間で十分に知られているか、好まれる人物なのか、どのようなイメージを代弁するか確実にする必要がある。

■ 広告にセレブが活用されるとき

セレブを広告に活用した事例は国別に様々である。しかしKANTAR Millward Brownのリンク(LINK)広告コピーの調査結果によると、セレブを広告に最も多く活用する地域は相変わらずアジア太平洋地域であることを知ることができる。

国別広告の中のセレブ利用率を見ると、その中で日本と韓国が全体の広告のうち40%で、最も多くの有名人を活用していることを示した。他の国の場合、全体の広告のうち中国は31%、インドは23%、米国と英国は11%が有名人が登場する広告である。

 
広告に起用した有名人のタイプも地域別によって大きな違いが見られる。アジア地域、特に韓国と日本では映画俳優の人気が高い。一方、イギリスではTV司会者が特に人気が高く、米国では一般的にスポーツスターを観ることができる。

 
■セレブの登場、効果的なのか?

有名人が登場するキャンペーンは非常に効果的かもしれない。Snickersの「お腹空いた時の君は、君じゃない(You're not you when you're hungry)」キャンペーンはカンヌ広告祭の広告効果(Creative Effectiveness)部門で受賞し、Virgin Mobileオーストラリアも「正々堂々にしよう、兄」(Fair Go Bro - 映画俳優Brad Pittの弟のDoug Pittをモデルに起用した)キャンペーンを出してカンヌ広告祭で受賞した。米国のある顧客社は10年以上特定の有名人を起用してきた中、ずっと有名人を起用していくべきかが知りたかった。KANTAR Millward Brownが分析した結果、顧客社の広告は該当有名人を起用したとき重要指標でよりいい成果を示すことがわかった。また、その有名人はブランドを浮かび上がらせる強力な信号(CUE)に作用していた。KANTAR Millward Brownはこの広告モデルが顧客社に貢献する価値が年間500万ドル(約5億6千万円)以上と推定し、顧客社はその有名人を続けて起用した。

5カ国で16のブランドについてのTwitterバズ量と肯定・否定的反応を深層分析した結果、有名人は短期バズ生成の主要な同人であることを知ることができた。ブランドキャンペーンと短期プロモーションがバズ量を増加させたりもするが、有名人に関する連想作用や有名人のブランド支持は短期間にそのブランドに対する肯定的な感情を拡大する傾向があった。2014年2月、Jim Beam(ウイスキーブランド)はMila Kunis(俳優)をブランドの新しいモデルに抜擢し多数の広告と動画に登場させた。これと関連してKANTAR Millward Brownはデジタル行動分析(DBA、Digital Behavior Analytics)ソリューションを活用して加工されていないデジタル信号を意味のある指標として解釈し、Jim BeamがMila Kunisを起用することでマーケティング予算をより効率的に活用して長∙短期的にはるかに大きなROIをもたらしたと結論することができた。

 
このように有名人を起用した個々の広告が非常に効果的であるかもしれないが、有名人の起用可否は、興味、関与、ブランディングなどの広告成果を測定する重要な指標に大きな影響を与えない。

しかし、KANTAR Millward BrownのCrossMediaデータベース分析の結果、有名人を活用した「キャンペーン」はそうではない広告よりも効果的であることが分かった。理由は何だろう?KANTAR Millward Brownの2018年AdReaction調査を自体分析してみると有、名人を活用した広告は統合がうまくなる傾向があることが分かった。有名人の存在が広告の他の要素をすぐに連想させる継ぎ目になり、シナジーを形成するのだ。もちろんオーディオ効果やビジュアルも広告をすぐに連想させる要素になれる。

 
広告キャンペーンが長期間執行されると時間が経つにつれ特定有名人がそのブランドと同一視されたりもする。RolexとRoger Federer、イギリスWalkersとGary Lineker、中国のCarina Lauと化粧品ブランドSK-IIの関係を例として挙げることができる。下のグラフは15回の広告が執行されている間に特定有名人がブランドを連想させる信号(cue)効果が徐々に増加することを示している。

 
■有名人を前に出して広告を行う際に考慮すべき3つ

有名人を起用すると絶対にキャンペーンが成功するという保証もない状況で有名人をうまく活用するための方法は何だろうか?有名人をキャンペーンに利用する前に答えなければならない3つの重要な問題が次のとおりである。

1.誰が有名人か?

有名人が広告のアイデアの中枢であれば彼が目標顧客の間でどれくらい有名なのかを確実に調べる必要がある。この度あるリップスティックブランドが外国人をモデルに起用しながらローンチした。そのモデルを知っていた人はコミュニケーション、興味、購入意思が確実に強かった。しかし、ターゲット層の間で彼女を知っている人は4人に1人にも満たず、このキャンペーンの効果は非常に限定的であった。

2.人々が彼を好むか?

人々が好む有名人なのかが必須要件ではないとしてもこれは広告に対する人々の感情的な反応に莫大な影響を与えることができる。人々が好む有名人が持つ広告効果は国別にほとんど類似しているが、人々がその有名人を好むと広告の興味性もより高い。また、好ましい有名人が登場する場合、説得力とブランドパワー寄与度もより高いことが確認できた。

特に、有名人の好感はターゲット層で検討されるべきである。イギリスで行われたシリアルブランドプロジェクトでKANTAR Millward Brownは人々に肯定的ロールモデルとして考慮する有名人が誰か尋ねた。TVとラジオ司会者である特定の男性が高い評価を受けたが、これは40歳以上の年齢グループの意思が主に反映された結果であった。彼が登場したそのブランド広告のアニメーションバージョンを持って調査したところ、若い年齢層は彼を年取った旧世界的な人物として記憶していた。結局広告は制作されなかった。

3.有名人がどのようなイメージを代弁するか?

特定有名人がブランドとどれだけよく合うか、あるいは彼を通じてどんなブランドイメージを構築したいのかを理解することは重要である。特定有名人の起用が適切であれば、コミュニケーションの効果は強化されるだろう。 「よく合う」有名人はキャンペーンに関連する主要な指標も向上させるものだ。

 
■潜在的なリスク

アニメのキャラクターとは異なり有名人は人である。したがって人間的欠陥があるかもしれない。これに有名人がブランドに負担として作用する場合も頻繁である。

中国の陸上選手であるルシアンはロンドンオリンピックに出場したが負傷を隠したとする。負傷は激しくなり彼は出場を諦めた。中国の世論は正直でなかったという事実のため彼から背を向けて1年が経った今も彼に対する感情は全く良くなっていない。ブランドへの潜在的な害になった他の有名人の行動には、Hertzの看板であったO.J. Simpsonを挙げることができる。彼の元妻であるNicole Brown Simpsonを殺害した容疑で起訴された。また、Slim-fastを広告しながらも痩せなかったWhoopi Goldberg事例も挙げられる。不倫にマスコミを飾った後、妻と賑やかに離婚したTiger Woodsは5つのメジャー広告契約を逃した。ブランドはそのような話題ができると素早く距離を置く。2016年初めにMaria Sharapovaがドーピングテストに通過できなかったときNike、TAG Heuer、Porscheなど彼女が広報したブランドは24時間がたたないうちに彼女との関係を断絶したりもした。

ブランドではなく有名人が広告のヒーローになるリスクも常に潜んでいる。インド茶ブランドのための新しい広告が人気映画俳優を起用する方向に企画されていた。KANTAR Millward Brownは有名人を登場させたバージョンと登場させなかったバージョンの2つバージョンのアニメーション広告を調査した。結果は有名人を起用したときに人々が広告から得られるメッセージがより弱いことが分かった。有名人がコミュニケーションを掌握していたのだ。有名人を通じて注目を集める意図であったが有名人のないバージョンも十分インパクトがあった。結局顧客社は有名人のない広告で製作、撮影、放送を進行した。

ただし、これまでの経験に照らしてみるとこのような問題は有名人の名声より広告構造の問題である可能性が高い。例えばTestimonial広告はブランドに明確に集中すればこのような問題に困らない。しかしこの場合も有名人が好感で本気に見せる必要はある。そうできなければ彼のブランド支持は信頼性が落ちる。

結論的に、適切な有名人を正しく活用すれば強力なブランド資産となることができる。これはすべての国、すべての産業分野で同様である。

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KANTAR Millward Brown Korea常務、クリエイティブドメインリーダー

スバシッシュ・ダスグプタ(Subhashish Dasgupta)常務は現在KANTARコリアのクリエイティブ部門を率いている。18年以上アジアとヨーロッパでのマーケティングリサーチの経歴を積みながら市場参入、戦略的ブランディング&ポジショニング、ブランドトラッキング、コンセプト及び製品テスト、広告テスト、チャンネルパートナーシップ、利害関係者管理などを幅広く渉猟した。これらの経験は自動車、サービス、オイル&ガス、テレコム&FMCGなどさまざまな産業群を経て蓄積された。二回のMBA過程を履修してマーケティングとマーケティングコミュニケーションを専攻した。

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