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【メディアアクチュアリ】あなたは偽ニュースにだまされない自信がありますか

記事入力 : October 16, 2018, 3:39 pm
ACROFAN=徐 希禎 | press@acrofan.com | SNS
 
「あなたは偽ニュースにだまされない自分がありますか?」

この質問にほとんどの人は「はい」と答えるだろう。おそらく愚昧な特定集団の人がだまされるのが偽ニュースと考えるだろう。しかし、どうしよう....。人は意志とは関係なく本能的に偽ニュースを好む構造を持っている。なぜなら人々は刺激的なものにより惹かれ、偽ニュースはこういう人間の心理を狙うためである。

実際に米国のインターネットニュースBuzzfeedによると、米国の大統領選挙の当時本当のニュースの反応率は約737万件であったことに比べて、偽ニュースの反応率は871万件に達した。偽ニュースが本当のニュースより人々の関心を引くという点と、人々は自ら自分が偽ニュースにだまされないと思う勘違いが出会ってその深刻さはより一層高まっている。さらに偽ニュースは拡散力が本当のニュースより速く、人々はファクトには関心がないのも問題の一つとなっている。つまり、偽ニュースの流通は単に「特定の意図を持った偽情報が流通していること」だけに問題があるとはいえないのだ。経済的に換算してみるとさらに明確になる。現代経済研究院の調査によると、過去1年間の総記事件数を約1300万件と仮定しこのうち1%を偽ニュースに分類する場合、偽ニュースの経済的費用は合計30兆900億と推定されている。

これにより世界各国でも「偽ニュース」との戦争を宣言して鎮圧に乗り出した。欧州連合(EU)では来年の欧州議会を控えて偽ニュースを拡散させるSNS企業に規制を加える方案を推進している。ドイツは今年からネットワーク運用改善法を施行中であり、フランスは偽ニュース対応法案を設けている。マレーシアでは「偽ニュース禁止法」が可決されながら拡散者は懲役10年に処することになる。国内も事情は同じだ。5月には偽ニュースの拡散者に罰金を加える法案が発議され、規制機関も用意される予定である。それにもかかわらずこれらの措置が偽ニュースをなくすことができるかについてはまだ不透明なのだ。

社会の悪と規定されている偽ニュース、一体なぜ作られるのか?さまざまな原因が挙げられるだろうが根源的に人々は自分が見たいものだけ見たいからである。言い換えれば人は自分が既存に持っていた認知構造と合致する情報のみを望む心理があり、現在のメディア環境はこういう心理を満たすのに最適化されているのである。既存マスメディアの時代では提供してくれるまま受け入れなければならなかったが、今は自分が自ら情報を選べるのはもちろんさらに好みそうな情報を絶えずお勧めまでしてくれる。自分の好みに合う情報を提供してくれることに移動するため情報習得の利便性とカスタマイズ性は高くなった。しかし、一方で偏向性も高まり、逆に多様性と質的水準は落ちた。

情報偏食の問題は自分も知らないうち他意によって価値観の歪みが起こるかもしれないフィルタバブルのレベルを超えた。それより深刻である。これからは自分にカスタマイズされていない情報は、たとえそれが客観的な事実であっても間違った情報(wrong information)として受け入れる状況になった。先達てある顧客が人工知能スピーカーに自分の息子であるサンウォン君の年齢を尋ねたら、スピーカーが「商原君(*「サンウォン君」と同じ読み方)は18歳に死亡しました」と答え払い戻しを要求する事態が発生した。では人工知能スピーカーが誤った情報を提供したのか?全くそうではない。人工知能スピーカーは18世紀の人物である朝鮮後期の王族である商原君の年齢、すなわち歴史的事実を話しただけだったが利用者は自分と合わない情報という理由で誤った情報と考えたのだ。自分にカスタマイズされた情報だけを取捨選択消費するメディア利用形態はこれからこのような現象をより一層深化させるだろう。事実が事実として受け入れられない現実であるのだ。

このような社会を防ぐことができる方法は最終的にまた利用者にある。規制機関と法案を作ることも必要であろうが、まだ実効性は非常に低下している。利用者自ら知りたい情報も良いが、市民として国民として「知っておくべき情報」も存在するということを覚えなければならない。全ての社会にはたとえ知りたくなくても社会を生きていく一員として知っておくべき常識や規則、規範、文化などがある。社会の一員として社会に関心を持って知っておくべき情報も習得するのに努力することは情報習得においても異見を含め様々な情報をまんべんなく追求すべきである。

しかしこれを個人が自らするのに容易ではないし、その努力と責任を完全に利用者のみに転嫁するのも不合理である。誰かは公益的次元でこのような役割を一緒にする必要がある。そしてその役割をこれまではマスメディアが担当してきた。実際マスメディアはSNSや動画プラットフォームにずいぶん前に席を譲っていた。マスメディアの利用は年々減っておりマスメディアが必要だという認識すら消えている。結果的に情報の利用性やカスタマイズの面でマスメディアが敗北したことは否めない。しかし、その役割まで負けたわけではない。

マスメディアニュースの政治社会化の役割はすでに実証されたところがある。ニュースメディアの利用は人が政治や社会問題に触れて様々な事案に対して関心を持って市民社会の参加を促進するのに重要な役割をすることが分かった。少なくともマスメディアの本来の役割が今日のメディアで社会の一員として知っておくべき情報も提供して市民性育成に重要な役割を果たすことができて、またこれからより忠実に遂行しなければならない。ひょっとしたらこれがマスメディアがまだ我らの社会に必要な理由であるかも知れないのだ。

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