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Kaziaが米国の大手がんセンターで放射線療法を併用したGDC-0084の第1相臨床試験を実施へ

記事公開日時 : July 23, 2019, 6:27 pm
ACROFAN=PRNasia | hkcs@prnasia.com | SNS

【シドニー2019年7月23日PR Newswire=共同通信JBN】オーストラリアの腫瘍に特化したバイオテクノロジー企業であるKazia Therapeutics Limited(ASX: KZA; NASDAQ: KZIA)は、米ニューヨーク州ニューヨークのMemorial Sloan Kettering Cancer Center(メモリアルスローンケタリングがんセンター、MSK)が、脳に広がったがん(脳転移および軟髄膜転移)に対する第1相臨床試験で、放射線療法を併用したKaziaの治験中新薬、GDC-0084使用の潜在的可能性を調べると発表した。この研究は、GDC-0084の新たな使用法を探求し、他の進行中の研究と並行して、様々なタイプの脳腫瘍で実施するものである。

Kazia Therapeuticsの最高経営責任者(CEO)であるジェームズ・ガーナー博士は「MSKは世界有数のがん治療センターの1つであり、この最先端プロジェクトで彼らをサポートできるのは当社にとって栄誉なことだ。多くのがんに脳転移の可能性があるが、そうなった場合、治療は非常に困難になる。MSKで行われている研究では、ほとんどの症例で依然、現時点での標準治療である放射線療法の効果を高める可能性がGK-0084にあるかどうかを調べることになる」と語った。

キーポイント

  • MSKは、PI3K経路に遺伝的変化を伴う固形腫瘍脳転移(脳に広がったがん)および軟髄膜転移を有する患者に対して、放射線療法を併用したGDC-0084の第1相臨床試験を開始する。
  • 同試験では、18-30人の患者を募集する予定で、完了までに約2年かかる。
  • 臨床試験は、Kaziaから治験薬や助成金などの支援を受け、MSKが主導する。
  • 本研究の開始で、異なるタイプの脳腫瘍に対するGDC-0084を用いた進行中の臨床試験の総数は5になる。

転移性がん患者の最大30%が、脳内に2次性腫瘍(転移)を発症する。放射線療法は依然として標準治療だが、利用可能な最善の治療法にもかかわらず、患者の30-50%が1年以内に進行してしまう。特定のがんの動物モデルで、PI3K経路の活性化が放射線療法耐性に寄与することが示されている。GDC-0084は血液脳関門を通過できるPI3K阻害剤であり、従って放射線療法に対する耐性の問題を軽減できる可能性がある。この臨床試験は、その仮説を検証するために開発された。

この臨床試験は18-30人の患者を募る予定で、全員にがんの脳転移がある。患者は、PI3K経路の特定の変化について遺伝的な検査を受け、関連する変異を有する患者だけが登録される。これは「精密医療」あるいは「個別化医療」と呼ばれることもある臨床研究アプローチの一例で、最も効果がある可能性の高い患者を慎重に選んだ上で治療が行われる。臨床試験は、2019年後半に募集を開始する予定。

研究は2つの部分から成り、前半は放射線療法と併用した場合のGDC-0084の最大耐量(MTD)を見極めるのが目的である。用量が決まれば、研究の第2部では、有効性の予備的兆候を調べるため、その用量でさらに12人の患者を登録する予定。

同研究の主任研究員は、MSKの放射線腫瘍科の転移性疾患プログラム担当ディレクターのジョナサン・ヤン博士である。ヤン博士はエール大学医学部卒業の放射線腫瘍医資格保有者で、中枢神経系腫瘍治療に専門家として関心を抱いている。彼は、脳腫瘍の臨床試験に数多く参加している、知名度の高い臨床研究者である。

本研究の開始で、GDC-0084を用いた進行中の臨床試験の総数は5になる。

Sponsor

Phase 

Indication 

 Registration

Kazia Therapeutics

 II    

Glioblastoma 

NCT03522298

Alliance for Clinical Trials in Oncology 

 II    

Brain metastases

NCT03994796

Dana-Farber Cancer Institute  

 II    

Breast cancer brain metastases (with Herceptin)

NCT03765983

St Jude Children's Research  Hospital  

 I

DIPG (childhood brain cancer)

NCT03696355

Memorial Sloan Kettering Cancer Center

 I 

Brain metastases (with radiotherapy)

 (TBA)

研究の完了には約2年かかると想定されている。Kaziaは、費用の一部に充てる資金援助を含む支援を提供する。同研究は、米食品医薬品局(FDA)の「investigator IND」の下で実施され、この研究の主な規制責任はMSKが負う。同研究の実施は、MSKの施設内治験審査委員会の承認を条件としており、承認はまだ得られていない。

Kazia Therapeutics Limitedについて

Kazia Therapeutics Limited(ASX: KZA, NASDAQ: KZIA)は、オーストラリアのシドニーに拠点を置く、腫瘍に特化した革新的バイオテクノロジー企業である。当社のパイプラインには2つの臨床段階の医薬品開発候補が含まれており、当社は様々な腫瘍症状の治療法開発に取り組んでいる。

当社の主要プログラムは、PI3K / AKT / mTOR経路の小分子阻害剤であるGDC-0084で、成人における最も一般的かつ最も攻撃的なタイプの原発性脳腫瘍である多形性膠芽腫の治療薬として開発が進められている。2016年末にGenentechからライセンス供与されたGDC0084は、2018年に第2相臨床試験に入った。初期安全性データは2019年5月に発表され、有効性データは2019年下半期に予定されている。GDC-0084は2018年2月、米FDAから膠芽腫の希少疾病用医薬品指定を受けた。

TRX-E-002-1(Cantrixil)はがん幹細胞に対して活性を有する第3世代のベンゾピラン分子であり、卵巣がん治療用に開発が進められている。TRX-E-002-1は現在、オーストラリアと米国で第1相臨床試験中である。初期データは2019年4月のAACR年次総会で発表され、研究は継続中。Cantrixilは、2015年4月、米FDAから卵巣がんの希少疾病用医薬品指定を受けた。

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