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Xilinx開発者フォーラム2019 - キーノート:Victor Peng

記事公開日時 : October 18, 2019, 9:46 pm
ACROFAN=權 容滿 | yongman.kwon@acrofan.com | SNS
Xilinxは、現地時間基準10月1〜2日の両日間、米国カリフォルニア州サンノゼ(San Jose)のFairmont San Joseホテルで「Xilinx開発フォーラム2019(XDF 2019:Xilinx Developer Forum 2019)」を開催した。今回の「XDF 2019」を通じてXilinxは、新しいソフトウェアプラットフォームVitisと一緒に様々な革新事例、今後の戦略方向性などを発表した。

10月1〜2日の両日開催されるXilinx開発者フォーラム(XDF)2019は、Xilinxの専門家、パートナー、産業群のリーダーが集まって新たな技術革新のためのインスピレーションを得ることができる場所として、今回のイベントは初日Victor Peng Xilinx CEOの基調講演を皮切りに1300以上の顧客、パートナー、開発者、およびXilinx従業員たちと一緒に始めた。今回のイベントでは基調講演を通じた様々な新しい発表と共に、さまざまなテーマで開かれる75個以上のセッション、40時間以上の分量で用意されたハンズオン開発ラボ、パートナーが披露する様々な使用事例の展示などが用意されており、様々な産業界の主要な関係者から聞く様々な話を通じて新しい視点と洞察力を見つけることができる。

今回の「Xilinx開発者フォーラム2019」で、Xilinxは新しいデザイン経験を提供する統合ソフトウェアプラットフォームVitisを発表した。統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis」は、ソフトウェアエンジニア及びAI科学者をはじめ、新たな分野の様々な開発者が適応型ハードウェアの利点を簡単に活用できるようにする。また、基調講演と展示を通じて5G、クラウドとエッジに至るデータセンター領域、AIと自律走行車など様々な分野にわたってXilinxのFPGA、ACAPなどを活用した様々な革新事例が紹介され、様々なセッションを介して新しい情報や実装事例などを共有して一緒に議論する場も設けられた。

▲Victor Peng Xilinx CEO

▲主な成長動力市場では大きく3つの領域が選ばれた

Victor Peng Xilinx CEOはこの席で、今までXilinxの技術と製品は様々な革新的なアプリケーションに核心力量として活用されてきたと明らかにし、今後のビジョンとして適応力が優れて、インテリジェントで、接続された未来の世界の実装を提示した。そしてXilinxの戦略としては「データセンターの優先」、「コアマーケット加速化」、「適応型コンピューティング主導」の3つの軸とし、これはハードウェアとソフトウェアの開発者、そしてプラットフォームの組み合わせで実装されるものと述べた。これと共に現在の主要な成長動力として挙げる領域にはデータセンター、5G、自動車などの3つの領域を挙げた。

5Gインフラの実装でXilinxのウルトラスケール+プラットフォームは、5Gインフラ機器の実装に効果的に活用されており、サムスン電子のノ・ウォンイル副社長は、今回のXDF 2019のキーノートでXilinxとの協力を通じた5Gインフラ機器の実装事例を紹介した。彼はまず、5G通信技術はこれまでの通信技術の中で最も急速に普及しており、韓国と米国がこれをリードしており、以降日本やインドなどが本格的な5G商用サービスを準備していると述べた。そして米国の5G商用サービスとしての旅では、サムスン電子は5G機器供給などの主要な通信事業者と協力していると付け加えた。

韓国でもサムスン電子は5G RANとコア装置など5Gインフラ構築のための機器供給で主導的な位置にあり、急速に成長している韓国の5G市場を後押ししていると紹介した。そしてこのような高性能5G機器の開発と供給でサムスン電子が市場で成功的な評価を受ける理由の一つは、顧客のニーズに合ったソリューションを迅速に供給することができる点を挙げ、最新のXilinx製品群が提供する低消費電力と発熱、より大きなメモリとパフォーマンス、柔軟性などの特徴はより小さなサイズと高いエネルギー効率を持って簡単にインストールできる装置の開発を可能にしたと説明した。また、サムスン電子はすでにXilinxのVersal ACAPを活用した製品を計画しているとも付け加えた。

▲Xilinxのハードウェアプラットフォームは現在ACAPコンセプトに至っている

▲「セージメーカーネオ」は、最適化されたマシンラーニングモデルをクラウドからエッジまで迅速にマイグレーションすることができるようにする

XilinxのハードウェアプラットフォームはFPGAでSoCを経て、今ではACAP(Adaptable Compute Acceleration Platform)とデータセンターのためのAlveoプラットフォームなど達していると紹介された。特にデータセンターの適応型加速器実装などに最適化された「Alveo」は、HBMなどと一緒に構成されてデータセンターでの様々なアプリケーションに高性能環境を提供することができる。そしてXilinxはこの席で7nmベースのVersal ACAPチップと開発ボードを披露した。また、今後の主要な成長動力として挙げられるデータセンターの生態系の成長では、Alveoのパートナー 生態系と様々な領域を網羅するISV生態系全体にわたって5,800以上の企業や学界、725個のアクセラレータプログラム、85個のアプリなどを持っており、継続的に成長していると強調した。

データセンターでFPGAなどを「適応型加速器」として活用するためにあり、Amazonは自社のAWSオファリングにF1のサービスを通じた「サービスとしてのFPGA」モデルを提供している。このEC2 F1サービスは現在グローバル単位でインフラが配置されて運営されており、継続的に拡張されている。そしてこの席でAmazonは、AWSがVirtexウルトラスケール+ FPGAベースのF1サービスをカナダのリジョンまで拡張すると発表し、これによりFPGAを活用する開発者が彼らのアプリとクラウドを通じて、更に広い地域に大規模で迅速配布が可能だと強調した。

全世界的に多くの顧客がこのF1サービスを活用して演算集約的アプリケーションを効果的に処理している。AstraZenecaはEC2 F1とBatch、S3サービスを組み合わせて効率的に遺伝子解析パイプラインをAWSサービス上で実装したところがある。そしてこのように構築されたパイプラインの性能は、10万個以上の遺伝子を100時間以内に分析することができる程度であり、まだ性能向上の余地が残っていると予想される紹介された。また、保安領域ではTrend Microが高性能ネットワークセキュリティ仮想アプライアンスをFPGAインスタンスベースで構築しAWSマーケットプリーエスで披露しているが、性能と効率、運用の簡潔性の全面を提供していると付け加えた。

またAmazonはこの席で、最適化された性能と効率を備えたマシンラーニングモデルを構築し、配布することができる環境を提供する「Sagemaker Neo」のサービスを紹介した。このサービスによりユーザーは最も最適化されたモデルをエッジ環境に至るまでさまざまな環境に配布することができ、特にXilinxのソリューションを活用した環境にまで最適化された配布が可能である。このサービスを通じて、オンプレミスにあるXilinxのAlveoーカードで作られて駆動していたマシンランニングモデルは、クラウドのF1はもちろんXilinxの技術をベースにしたエッジデバイスにまで滑らかにマイグレーションされて活用されることができる。

▲未来のデータセンターモデルでは、「分散された適応型コンピューティング環境」が提示された

▲MicrosoftもまたエジョサービスにAlveoベースFPGA加速VMサービスを披露する

Xilinxは自社のFPGA、ACAPなどをコンピューティング環境で「加速器」として活用することで、ビデオ変換やデータ分析、リアルタイムのマシンラーニング推論などで数十倍にも及ぶ大幅の性能向上を効率的に得ることができると紹介した。また、ストレージ領域では急速に増えるデータを処理することにおいて、圧縮や暗号化、重複排除などでFPGAなどを加速器として使用することによって大幅な性能向上が可能で、ネットワークでもFPGAなどを一緒に使用するSmartNICを通じてパケットプロセッシング処理処理量を大幅に向上させ、暗号化処理性能の向上などでさらに高いレベルのセキュリティが確保された接続環境を提供することができると明らかにした。

これに将来のデータセンターモデルでは、従来のクラウドリソースプールにFPGA、ACAPなどが積極的に調合された「分散された適応型コンピューティング環境(Distributed Adaptive Computing)」が示された。ここにはハイブリッドとエッジまで拡張されるクラウド環境全般で、プロセッサとSmartNIC、加速器タが結合されたストレージ、ACAPベースのコンピュート加速器などがすべてリソースプールの形で接続され、ワークロードに最適化された形で必要に応じて柔軟な構成配置が可能になるようにするものである。このような環境では適切なリソースの割り当てを通じて高性能と低遅延、最適化されたコストを実現することができ、この時FPGAやACAPなどの財政の可能なシリコンデバイスは、新しいシリコンの投入を最小限に抑えるながらも急速な革新サイクルに対応することができる。

Microsoftはエジョクラウドサービスで高性能VMや加速器組み合わせVM、HPCサービス、高性能ストレージや大容量メモリのVMなど、様々な特化サービスモデルを提供していると明らかにした。これらのサービスモデルのうち、エジョNP VMサービスはAlveo U250 FPGA加速器を活用することができ、必要な性能レベルに応じてCPUコアは10〜40個、メモリは168GB〜672GB、Alveo U250加速器は4つまで利用できるように提供する予定である。そしてまもなく米国東部、西部、東南アジア、西ヨーロッパのリージョンで披露するこのサービスを通じて、現在Alveo環境で活用できるソフトウェア製品などはエジョ環境でもそのまま利用できるようになると付け加えた。

▲「Vitis」統合ソフトウェアプラットフォームは、FPGAなどのソフトウェア技術をベースに扱えるようにする

▲日立はADASシステム全般の実装に「Vitis」を活用して、ただ二ヶ月で成果を収めたと発表した

XilinxはFPGAデザインツール「Vivado」の以降、継続的にソフトウェアの方向に力量を進化させており、この場で「Vitis」統合ソフトウェアプラットフォームを通じて今まで分かれていた複雑な環境をより整理し、開発環境の設定をVivadoとVitisの両軸で整理したいという計画を紹介した。そして異種コンピューティング環境、エッジからクラウドに至るまでさまざまな環境に対応、AI技術の活用などにおいて、Vitisプラットフォームはハードウェアに対する専門知識がなくてもXilinxのハードウェアアーキテクチャ能力を活用できるようにサポートすることを強調した。

Vitis統合ソフトウェアプラットフォームは、豊富で最適化されたオープンソースのライブラリを含め、ドメイン特化アーキテクチャの実装も含まれておりAI、ビデオ、ビッグデータ分析などに至るまで最適化されたハードウェア活用のための環境を提供する。XilinxはこのVitisプラットフォームをオープンソースモデルをベースに、Xilinxボード用で無料提供する計画を発表し、オープンソースへの旅はもうXilinxにおいて重要な戦略の一つだと強調した。そして現在オープンソースの生態系ではOpenAMPプロジェクトに貢献しており、今後はTensorFlowやKubernetesプロジェクトなどでもXilinxの技術に関連した貢献をしたいと付け加えた。

自動車分野で日立オートモーティブシステム(Hitachi Automotive System)は、さまざまな自動車メーカーにADASシステムなどを供給しており、XilinxのFPGAとSoCを活用してレベル2以上のADASシステムで要求される機能と性能を最適化された形で実装してと紹介した。そして日立はこのような最新ADASシステムなどを実装することにおいて、VersalボードとVitisプラットフォームを活用してディープラーニングベースの事物認識システムを含むエンドツーエンドのオートモーティブデザインをただ二ヶ月で作り上げることができたと紹介した。

▲Vitis AIは「ドメイン特化アーキテクチャ」を統合し、AIサイエンティストたちに大きな能力を提供する

▲車両用自律走行プラットフォームの実装でFPGAの活用は、様々な厳しい条件を見事に満たすことができようにする

ドメイン特化アーキテクチャ(DSA)を統合した「Vitis AI」は、TensorFlowやCaffe、PyTorchなど業界をリードするフレームワークを利用して、Xilinxのハードウェアを最適化しプログラムすることができるようにする。Vitis AIはトレーニングされたAIモデルを最適化し圧縮及びコンパイルして約1分以内にXilinxデバイス上で実行できるツールを提供し、同級最高レベルの推論性能及び効率的でエッジからクラウドまで構築することができる特殊なAPIもサポートされる。Xilinxはこのツールがハードウェアの専門性なしに最適化されたハードウェアの使用を可能にして, AIを活用しようとするスタートアップなどでも便利なツールだと強調した。

Pony.aiはこの席で、レベル4級の自律走行システム「PonyPilot」を実装する上で、XilinxのFPGAとVersal ACAPを活用した事例を紹介した。自律走行システムは実際道路の複雑な交通状況の中でも走行を続けていくことが必要であり、各種センサを介して受信データを判断し、複雑な状況でリアルタイムに近い判断が可能な性能が要求される。特に低遅延時間と限られた消費電力という難しい条件まで満足させるためにあり、FPGAの活用は従来のシステムより遅延時間は12倍向上し、30W程度の消費電力でシステムを実装することができたと紹介した。

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