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IBS、サスコロナウイルス-2の高解像度遺伝子地図を完成

記事公開日時 : April 13, 2020, 4:09 pm
ACROFAN=Bora Kim | bora.kim@acrofan.com | SNS
基礎科学研究院(IBS)RNA研究団のキム・ビッナリ団長とジャン・ヘシク研究委員(ソウル大生命科学部教授)研究チームは、疾病管理本部国立保研究員との共同研究を通じて、コロナウイルス感染症-19の原因であるサスコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)の高解像度遺伝子地図を完成した。

研究チームは二種類の次世代塩基配列分析法(ナノポア直接RNAシーケンシング、ナノボールDNAシーケンシング)を活用して、サスコロナウイルス-2が宿主細胞内で生産されるRNAトランスクリプトームを全部を分析した。この分析でウイルス遺伝子の正確な位置を見つける一方、既存の分析法では確認されなかったRNAを探し、ウイルスのRNAに化学的変形(最小41ヶ所)が起こることを発見した。

これを通じてウイルストランスクリプトームどのように構成されているかを理解し、ウイルス遺伝子が遺伝体上のどこに位置するかを正確に把握できるようになった。サスコロナウイルス-2遺伝子の複雑で隠された秘密を解くことができる地図を確保することができるようになったのである。また、遺伝体とトランスクリプトームに対するビッグデータを生成し、その後の研究のための様々な情報も提供している。

▲サスコロナウイルス-2のライフサイクル(出典=IBS)

サスコロナウイルス-2はDNAではなく、RNAの形の遺伝子を持っている。ウイルスは宿主細胞に浸透して遺伝情報が含まれたRNA(遺伝体RNA・genomic RNA)を複製する一方、遺伝体RNAを基にして様々な「サブ遺伝体RNA(subgemomic RNA)」を生産(転写)する。このサブ遺伝体はウイルス粒子構造を構成する複数のタンパク質(スパイク、外皮など)を合成し、複製された遺伝子と一緒に宿主細胞の中でウイルス完成体を成す。以後細胞を脱出して新しい細胞を感染させる。宿主細胞内で生産されたRNAの総合を「トランスクリプトーム(Transcriptome)」という。

既存研究ではサスコロナウイルス-2の遺伝体情報が報告されたが、遺伝体RNA情報に基づいて遺伝子の位置を予測するレベルにとどまった。金団長研究チームは今回の研究で、遺伝体RNAから生産されるサブ遺伝体RNAを実験的に究明する一方、それぞれのトランスクリプトームの塩基配列(遺伝情報)の全て分析して、遺伝体RNA上に遺伝子がどこに位置するか正確に見つけた。

従来はサブ遺伝RNA 10個があると知られていたが、今回の実験でそのうち9つのサブ遺伝体RNAだけが実際に存在することを確認した。残りのサブ遺伝体RNAの1つに対した既存予測とは違い、実際には存在しないことが確認された。研究チームは細胞内で生産されるRNA数十種を追加に発見した。また融合、削除などさまざまな形態のサブ遺伝体RNA組換えも頻繁に起こることを確認した。

これと共に研究チームは、ウイルスRNAでメチル化のような化学的変形を発見した。DNAメチル化のようにDNAレベルで行われる色んな生化学的変化を総称してエピゲノム(Epigenome )と呼ぶように、転写後のRNAで行われる様々な生化学的変化はエピトランスクリプトーム(Epitranscriptome)という。転写後の変形されたRNAは既存に知られていなかった新しい特性を持つことができるため、今回発見された変形はサスコロナウイルス-2のライフサイクルと病原性を理解するのに役立つと思われる。

▲サスコロナウイルス-2の遺伝体RNA及びサブ遺伝体RNAの構成、ウイルス粒子構造の模式図(出典=IBS)

キム・ビッナリ団長は「新たに発見されたRNAがウイルス複製と宿主の免疫反応を調節するタンパク質として作用するかを確認してみる必要がある。また、RNAの化学的変形はウイルスの生存や免疫反応と関連があると思われる」と、「このRNAとRNAの変形はウイルス治療剤を開発する際に、新しく標的としていい候補群だ」と述べた。そして「今回サスコロナウイルス-2のそれぞれのトランスクリプトームの定量を正確に把握し、これを基に診断用遺伝子増幅技術(PCR)を改善することができるだろう」と説明した。

研究チームは疾病管理本部国立保健研究院で宿主細胞に培養したウイルスを不活化した後、二つの次世代塩基配列分析法を一緒に適用して新しい事実を見つけた。特に研究チームが国内で初めて導入した「ナノポア直接RNA塩基分析法」を活用すれば、サスコロナウイルス-2の非常に長いRNAの塩基配列を切断せずに丸ごと直接分析することができる。一般的にRNAの塩基配列解析はDNAに変換した後分析するが、この分析法はRNA塩基を変換過程なしでそのまま読んで分析することができる。つまり原語を翻訳せずにすぐ読んですぐ解釈するものと同じなのだ。一方、「DNAナノボール塩基分析法」は塩基配列を一気に分析することはできないが、高い正確度と大容量で分析することができる利点があり、正確度が低くて少ない容量を分析するナノポア直接RNA塩基分析法を補完することができる。

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