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バイオインフォマティクス:医療を超え、農業や食品分野においても今後活用が増加

記事公開日時 : May 28, 2020, 11:15 am
ACROFAN=Bora Kim | bora.kim@acrofan.com | SNS
ラックスリサーチが独自に開発したイノベーションデータ分析プラットフォームによると、現在バイオインフォマティクスにおけるイノベーションへの関心が急速に高まっていることがわかりました。

現在、バイオインフォマティクスの最大の用途は創薬にありますが、リスク評価・安全性確保、個別化(パーソナリゼーション)、診断、トレーサビリティなど、バイオインフォマティクスは食品や農業を含む多数の産業にて活用されつつあります。ラックスリサーチの新しい報告書、『Applications and Impacts of Bioinformatics Across the Agrifood and Health Ecosystem(アグリフードとヘルスエコシステムにおけるバイオインフォマティクスの利活用と影響)』は、農業、食品産業、および医療の境界線が次第に不明瞭になるなか、バイオインフォマティクスの利活用への関心がこれら産業全体において高まると指摘しています。

「バイオインフォマティクスは、生物データを多くの有益な用途に活用するために使われる、オミックスプロファイリング技術です。現在、バイオインフォマティクスが最も利用されているのは、診断、創薬、個別化、品質保証・最適化、リスク評価・安全性確保、トレーサビリティの6分野です。

バイオインフォマティクスを含むデジタル技術は、各企業がより機敏に確実にイノベーションへの取り組みを進めていくために、今後更に重要な役割を果たすことになるでしょう。そのため、バイオインフォマティクスの活用はオプションではなく、今後不可欠となります。

また、食品、ヘルスケア、農業は個別の産業であると考えられがちですが、技術や市場動向、消費者の需要などを鑑みた際、個別に考えている場合、相互連関性を見逃しがちです。今後食品や農業を含む多くの産業にて、新たにバイオインフォマティクスを活用されることが期待できます」、と、本報告書の主著者でラックスリサーチのシニアアナリスト、Joshua Halsun (Ph.D.)はコメントしています。

農業分野における活用:作物の改良以外にも、合成作物防疫や栄養投入などにおいて、効果的な代替品に対する需要が高まっており、バイオインフォマティクスがこれら分野にて重要な役割を果たしています。合成生物学やマイクロバイオームの商業化には、品質や環境面でのレジリエンス向上に向けた新しいバイオベースのソリューション開発においてバイオインフォマティクスが不可欠です。

医療・製薬分野における活用:創薬が依然としてバイオインフォマティクスが最も広く利用されている分野であり、バイオインフォマティクスはリスク評価・安全性確保においても重要な役割を果たします。バイオインフォマティクスは薬物による有害な影響や標的外の影響を予測できるため、特に医療業界や製薬業界におけるリスク評価や安全性確保に活用できます。

「医療業界では、薬理学や個別化されたがん治療のように、実用的な結果を生み出すことが可能な個別化医療分野において、特にバイオインフォマティクスが活用されています。医療産業では、個別化された予防医療におけるイノベーション推進に向け、今後更にバイオインフォマティクスの活用が増加すると予想されます。

ただし、バイオインフォマティクスがより多くの産業において活用されるためには、データの真に理解し、ソリューション開発へとつなげるためには、専門家による分析と解釈が必要であることに注意する必要があります。このことは病原株分析のような最も単純な用途を除いて、すべてのバイオインフォマティクスの用途において当てはまります」、と、ラックスリサーチ のアナリスト、Cole McCollumは説明しています。

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