上位100位に日本の5大学がランク入り
ロンドン, 2020年6月10日 高等教育の世界的なアナリストであり、QS世界大学ランキング・ポートフォリオを毎年編纂しているQS Quacquarelli Symonds社が、世界大学ランキングを本日発表しました。最新版では世界の上位100大学に日本の5校がランク入りしています。
今回、世界の上位100大学にアジアから合計26校がランク入りしています。昨年度の25校から増加しており、当ランキングが始まって以来最多となっています。
東京大学は日本でトップの大学という地位を維持しています。世界大学ランキングで24位、アジアの大学では6位となっています。この1年で順位を2つ下げ、香港大学(22位)と中国の北京大学(23位)に抜かれました。
QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター(Ben Sowter)は次のように述べています。「多元的な研究の功績(research footprint)において東京大学よりも強力な実績がある大学は、世界中にほんのわずかしかありません。2014年から2018年にかけての5年間の論文被引用数を見ると、東京大学の教員陣を上回る影響力を与えた大学は世界中で6校のみであり、アジアには1校もありません。今年度は順位が低下していますが、依然として世界の有力研究拠点の1つであり、学術関係者からも雇用者からも同じようにずば抜けた評価を享受しています」
ソーターは次のように続けています。「しかしながら私たちのランキングは、アジア全域の大学がこれまで通りの競争力を維持していることを示しています。また、東京大学や日本の他の大学にとって改善の余地がある重要分野にも脚光を当てています。特に世界各地の適任な教員陣との連携を増やせば、日本の大学は恩恵を得られるでしょう。研究の影響力と教育力双方のレベルの低下が日本全国でよく見られますが、そうした傾向を否定するのにも役立つでしょう」
QS世界大学ランキング:高等教育分野の世界的コンサルタント会社であるQS Quacquarelli Symonds社が世界の上位1000大学をランク付けするものです。大学のパフォーマンスに関する包括的な情報源であり、世界で最も参考にされ、最も多く報道されています。同社のメインのウェブサイトであるwww.TopUniversities.com は2019年に1億4900万回以上閲覧されました。[1]
日本:エグゼクティブサマリー
- QSは日本の大学を合計41校ランク付けしています。この41校のうち17校が順位を上げています。1校は順位や階層が変わっておらず、22校が順位を下げています。1校が新たにランクインしています。
- 東京工業大学が過去最高の総合順位である56位に復帰しています。また卒業生のエンプロイヤビリティを測定するQSのEmployer Reputation(雇用者からの評判)指標でも、世界で50位という得点を獲得しています。
- QSが調査をした学術関係者によれば日本でトップの大学は東京大学であり、Academic Reputation(学術関係者からの評判)指標で100点満点を獲得しています。
- QSが調査をした44,000人の雇用者――採用担当マネジャーおよびCEO――によれば、日本で最高の卒業生を輩出しているのも東京大学であり、Employer Reputation指標で100点満点中99.6点を獲得しています。
- 全般に日本の大学はEmployer Reputation指標のパフォーマンスが最も高くなっています――ランキングされた41校のうち25校が前年比で順位を上げており、日本の大学の卒業生に対する世界の信頼が高まっていることを示しています。
- しかしながら日本の大学も、研究の相対的な影響力――QSのCitations per Faculty(教員1人当たりの論文被引用数)指標で測定――と世界の学界における相対的な評価――QSのAcademic Reputation指標で測定――の両方の低下に見舞われています。
QS世界大学ランキング2021年版:アジアの上位10校 | |||
2021 | 2020 | 大学 | 国 |
11 | 11 | National University of Singapore (NUS) シンガポール国立大学 | シンガポール |
13 | 11 | Nanyang Technological University (NTU) 南洋理工大学 | シンガポール |
15 | 16 | Tsinghua University 清華大学 | 中国 |
22 | 25 | University of Hong Kong (HKU) 香港大学 | 香港 |
23 | 22 | Peking University 北京大学 | 中国 |
24 | 22 | 東京大学 | 日本 |
27= | 32 | The Hong Kong University of Science and Technology (HKUST) 香港科技大学 | 香港 |
33= | 40 | Fudan University 復旦大学 | 中国 |
37 | 37 | Seoul National University (SNU) ソウル大学校 | 韓国 |
38 | 33 | 京都大学 | 日本 |
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QS世界大学ランキング2021年版:日本の上位10校 | ||
2021 | 2020 | 大学 |
24 | 22= | 東京大学 |
38 | 33= | 京都大学 |
56 | 58= | 東京工業大学 |
72= | 71 | 大阪大学 |
79 | 82 | 東北大学 |
110= | 115 | 名古屋大学 |
124= | 132= | 九州大学 |
139= | 132= | 北海道大学 |
189= | 202 | 早稲田大学 |
191= | 200= | 慶應大学 |
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グローバルでのハイライト
- マサチューセッツ工科大学(MIT)が9年連続世界1位という新記録を樹立しました。
- 今回も上位3校はアメリカの大学です:1位MIT、2位スタンフォード大学、3位ハーバード大学です。
- ヨーロッパで1位の大学はオックスフォード大学で、4位から5位に順位を落としています。同じイギリスのライバル校であるケンブリッジ大学は7位を維持しています。
- ランク入りしているアメリカの153大学のうち112校が順位を下げており、上昇したのは34校のみです。
- 今回世界上位100大学にアジアの26校がランク入りしており、過去最多となっています。これら26校の内訳は、中国と韓国が各6校、香港と日本が各5校、シンガポールが2校、そしてマレーシアと台湾が各1校です。
QS世界大学ランキング2021年版:世界の上位20校 | |||
2021 | 2020 | 大学 | 国 |
1 | 1 | Massachusetts Institute of Technology (MIT) | アメリカ |
2 | 2 | Stanford University | アメリカ |
3 | 3 | Harvard University | アメリカ |
4 | 5 | California Institute of Technology (Caltech) | アメリカ |
5 | 4 | University of Oxford | イギリス |
6 | 6 | ETH Zurich (Swiss Federal Institute of Technology) | スイス |
7 | 7 | University of Cambridge | イギリス |
8 | 9 | Imperial College London | イギリス |
9 | 10 | University of Chicago | アメリカ |
10 | 8 | UCL (University College London) | イギリス |
11 | 11= | National University of Singapore (NUS) | シンガポール |
12 | 13 | Princeton University | アメリカ |
13 | 11= | Nanyang Technological University (NTU) | シンガポール |
14 | 18= | Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) | スイス |
15 | 16 | Tsinghua University | 中国 |
16 | 15 | University of Pennsylvania | アメリカ |
18 | 14 | Cornell University | アメリカ |
17 | 17 | Yale University | アメリカ |
19 | 18= | Columbia University | アメリカ |
20 | 20 | University of Edinburgh | イギリス |
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評価方法
QSは6種類の指標を利用して当ランキングを編纂しています:
- Academic Reputation(学術関係者からの評判):94,000人以上の学術関係者から回収したアンケート調査の回答に基づいています。
- Employer Reputation(雇用者からの評判): 44,000人以上の雇用者から回収した大学との関係および卒業性の雇用可能性に関するアンケート調査の回答に基づいています。
- Citations per Faculty(教員一人当たりの論文被引用数):研究の影響力を測定するものです。各大学が過去5年間に発表した研究論文の被引用数の合計を、その大学の教員の人数で割って算出します。
- Faculty/Student Ratio(学生一人当たりの教員比率):教育力を表す指標で、学生の人数を教員の人数で割って算出します。これを見れば、世界中の学生が志望大学のクラスの規模を予想できます。
- International Faculty Ratio(外国人教員比率):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標の1つであり、各大学の外国人教員の比率を測定するものです。
- International Student Ratio(留学生比率):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標のもう一方であり、各大学の留学生の比率を測定するものです。海外の学生から見た大学の国際的な魅力度を間接的に表しています。
全てのランキングは日本標準時の6月10日水曜午前8時から、こちらで閲覧できます:www.TopUniversities.com
[1]「最も参考にされ」ているという記述の根拠は、Google Analytics、SimilarWeb、Meltwater、Alexaを含む独立したモニタリングプラットフォーム群のデータです。
Related Links :
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