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【CES 2021】ソニー、ドローン・電気自動車・ディスプレイ等CES 2021で「創造性の限界」を超える最新戦略公開

記事公開日時 : January 14, 2021, 7:07 pm
ACROFAN=辛 承羲 | seunghee.shin@acrofan.com | SNS
 12日午前、ソニーはCES 2021で、「未来を再定義するテクノロジー(Redefining Our Future with Tomorrow's Technologies)」というテーマで自社の3R技術を活用した最新の戦略を公開した。 1月11日から14日まで(米国時間)行われる国際エレクトロニクスショーCES 2021は、今年コロナ19の余波により全面デジタルで開催される。

ソニーはエンターテイメントの力を通して「感動」を導いて出そうと▲リアリティ(Reality)▲リアルタイム(Real-Time)▲リモート(Remote)を含む「3Rテクノロジー(Reality、Real-Time、Remote)」を活用している。今回CES 2021では3R技術が「コンテンツ制作力強化のためのツールとソリューション」、「没入型エンターテイメント体験」、「より良い未来のための技術」のような分野の最新開発にどのように寄与しているのかを発表した。

▲吉田憲一郎ソニー社長兼CEOが「Airpeak(エアピーク)」を紹介している。 (写真出処:ソニースクエア)

▲ソニーの電気自動車「VISION-S(ビジョン-S)」は現在公道走行の段階に入った。 (写真出処:ソニースクエア)

まず、吉田憲一郎ソニー社長兼CEOは、ソニーの無人航空機(ドローン)エアピーク(Airpeak)を今回のイベントで初公開した。ソニーのアルファフルフレームミラーレスカメラが搭載されたエアピークは、正確で安定した飛行でダイナミックな撮影ができるだけでなく、映像制作者の創造性を向上して幅広い映像表現の可能性を提供する。

彼は「エアピークは、空を無限に創造的な遊び場に変えられる。このイニシャライズを通じてソニーはドローン発展に貢献し、成長していく市場で高い価値を創出することを目的とする。」と述べた。また、「ここで止まらず、将来的には空を超えて宇宙と地球のリアルタイム画像を撮影し、新しい形のエンターテイメントを作り出すつもりである。ソニーの技術と一緒なら創造力には限界がない。創造的なエンターテイメント企業として進化し続ける姿を期待してほしい。」と強調した。

そして昨年CESで公開されたソニーの電気自動車ビジョン-S(VISION-S)の現状についての説明が続いた。ビジョン-Sは、ソニーの高級センシング技術を活用して周辺環境の情報をリアルタイムで処理する。モビリティの発展に寄与することを目的として開発されているビジョン-Sは、もはや次のステップに入った。車両運行のための安全性、保安性、適応性とエンターテインメント開発が続けられており、2020年12月には技術評価のためオーストリアで公道走行を行っている。

▲ソニーイノベーションスタジオでは「ボリュームメトリックリアルワールドキャプチャ」を活用した仮想プロダクション開発が進んでいる。 (写真出処:ソニースクエア)

▲ブラビアXR TVラインナップ:8K LED「Z9J」、4K OLED「A90J」、「A80J」及び4K LED TV「X95J」、「X90J」(写真提供:ソニーコリア)

続いてビル・バグラー(Bill Baggelaar)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント テクノロジーデベロップメントEVP兼CTOがソニーイノベーションスタジオ(Sony Innovation Studios)で開発中の技術と、ソニーブラビアTV(BRAVIA TV)の新しいラインナップを紹介した。

2018年にオープンしたソニー・イノベーションスタジオでは、ボリュームメトリックリアルワールドキャプチャ(Volumetric Real-World Capture)を利用した仮想プロダクション技術の開発が進んでいる。映画やTV番組を制作するセットや場所を3Dボリュームメトリックポイントクラウドデータで撮影した後、ソニーイノベーションスタジオの中心にある「アトムビュー(Atom View)」ソフトウェアを通じてリアルタイムで処理やレンダリングしてクリスタルLEDディスプレイシステム上に背景画像として実装することができる。

クリスタルLEDディスプレイが提供する高精細なイメージは、さまざまなレイアウトとサイズで実装が可能で企業のショールーム、ロビー、仮想プロダクションのような色んな空間や背景に適用することができ、クリエイターの創造性を刺激する圧倒的な没入型イメージを提供していする。ソニーの新しいクリスタルLEDシリーズには、ソニーのクリスタルLEDのために開発されたLED制御技術とブラビアTVの信号処理技術が融合された「クリスタルLEDのための高性能イメージプロセッサX1(X1™for Crystal LED)」が搭載されている。

また、ビル・バグラー副社長は、ソニーブラビアTVの新しいラインナップであるブラビアXR(BRAVIA XR)TVを披露した。新しいブラビアXRには認知プロセッサXR(Cognitive Processor XR)が搭載され、人間の認知特性を反映した情報を提供する。視聴者の焦点を検出して数多くの画質要素を分析し、より自然で人間の記憶に近い画像を作り出す。また、5.1.2チャンネルにアップスケーリングされたサウンドは、使用者に上下左右のサラウンドサウンドを提供してリアルで没入感あふれる体験を提供する。

▲「プレイステーション5」は革新的な次世代ゲーム体験を実現する。 (写真出処:ソニースクエア)

▲CES 2021でマディソン・ビアーの没入感のあるリアリティコンサートデモが行われた。 (写真出処:ソニースクエア)

ジム・ライアン(Jim Ryan)ソニーインタラクティブエンターテイメント(以下SIE)社長兼CEOは、2020年11月に発売されたプレイステーション5(PlayStation®5)を紹介した。プレイステーション5は超高速SSD、統合カスタムI/O、DualSense™ワイヤレスコントローラと3Dオーディオ技術が搭載されており、革新的な次世代ゲーム体験を実現し、プレイヤーに新しい没入感を提供する。

彼は「プレイステーションコミュニティは、どんな時よりも多様でネットワーク化されている。ソニーはコミュニティを構成する多彩な視点と好みを祝って尊重する。」とプレイステーションコミュニティの発展を強調した。また、「一緒に発売されたタイトルの他にも、世界中のSIE Worldwide Studiosと開発者は今後も継続して画期的で新しいイトルを提供する予定である。ビジネスでは「コール・オブ・デューティ」、「バグスナックス」など最高のパートナーシップを持っており、映画やTVなどの新しいメディアで着実にプレーステーションのIPを披露していく」と今後の計画を明らかにした。

最後に、デニス・クッカー(Dennis Kooker)ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SMEI)グローバルデジタルビジネスおよび米国セールス部門社長がアーティストと新しい技術を組み合わせた様々な方法の特別コラボレーションを披露した。映像ではエピックレコード(Epic Records)所属のシンガーソングライターマディソン・ビアー(Madison Beer)とSMEI、米国携帯電話会社ベライゾン(Verizon)が協力して実現した没入感のあるリアリティコンサートが一部公開された。マディソン・ビアーはリアルタイム3D製作技術を活用して仮想に実装された米国ニューヨークソニーホール(Sony Hall)でアバターに変身し、最新曲を公演する予定だ。

彼はソニーの音楽制作ツールである360リアリティオーディオ(360 Reality Audio)のサービスや製品拡張について言及した。ソニーと音楽ソフトウェア開発企業であるバーチャルソニックス(Virtual Sonics)は360リアリティオーディオと互換する音楽制作ツールの360リアリティオーディオクリエイティブスイート(360 Reality Audio Creative Suite)を開発して空間音場を実現した。これは創作者とアーティストたちが既存の製作プラットフォームを使用して360度で自分の音楽を簡単に表現できるように助ける。また、ソニーは今年末までに主要なレコード会社とストリーミングサービスとのコラボレーションして360リアリティオーディオの空間音場と音像を組み合わせたライブパフォーマンスビデオコンテンツのストリーミングサービスを開始する。サービス開始前にザラ・ラーソン(Zara Larsson)の公演が360リアリティオーディオ初のビデオコンテンツとして公開される予定である。

▲ソニーのフラッグシップ5G対応スマートフォン「エクスペリア5 II」は、映像制作者の表現範囲を拡大する。 (写真提供:ソニーコリア)

▲ソニーの「空間現実ディスプレイ」は、実際に存在するかのような感覚を伝える。 (写真提供:ソニーコリア)

このほかにも、昨年下半期に公開されたソニーの3R技術を活用した戦略ポートフォリオには、次のようなサービスと製品が含まれている。

ソニーのフラッグシップ5G対応スマートフォンエクスペリア5 IIはフォトグラフィプロ(Photography Pro)機能とパラメータやカラー設定を通じて専門的な映像撮影の経験を提供するソニーシネマカメラ「シネアルタ(CineAlta)」のシネマトグラフィプロ(Cinematography Pro)機能でクリエイターの表現範囲を広げる。エクスペリア5 IIのカラー設定は映像専門家のためのソニーのマスターモニターの色再現からインスピレーションを受け、クリエイターが表現しようとする高い色精度をディスプレイに実装する。併せて、5Gサポートを通じてリアルタイムでデータの送受信が可能である。

ソニーの空間現実(Spatial Reality)ディスプレイは、空間イメージをまるで実際のように3次元に実装することにより、クリエイターが製品のデザインを共有したり、様々な色や形を見せるとき、彼らのビジョンと意図を忠実に伝えることができるように支援する。空間現実ディスプレイは、ディスプレイや店の立体サイネージ(signage)など物事の深さと質感、外観を繊細で写実的に表現することで、視聴者に実際存在するような感じを提供する。

審判判定補助サービスやプレー分析サービスを手掛けるソニーのホークアイ(Hawk-Eye)と、 スポーツファン向けのウェブサイト等のデジタルソリューションを提供するパルスライブ(Pulselive)は、 プレー映像とスポーツデータを活用し、判定からファンエンゲージメントに至るまでのスポーツ界のイノベーションに取り組んでいる。ソニーは、今後のプレーコンテンツやスポーツデータを可視化する新しい方法のエンターテイメントを提供を目指している。

ソニーは、「強固な技術をベースにしたクリエイティブエンターテイメント企業として位置に関係なく、(Remote)、遅延なく(Real-time)、実際と区別がつかないほど現実感(Reality)あふれるコンテンツを共有する「3R(Reality、 Real-Time、Remote)技術」を通じた感動と自信を続けて提供していくつもりだ。」と明らかにした。


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