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シノロジーラックステーションRS815 +ラック最適化NAS:性能編

記事公開日時 : June 9, 2015, 3:58 pm
ACROFAN=權 容滿 | yongman.kwon@acrofan.com | SNS
シノロジーラックステーションRS815 +ラック最適化NASは、中小規模の組織での様々なストレージサービスの需要を消化するための構成を有している。特に小規模のワークグループのための一般的な「共有フォルダ」式のアプローチとFTPなどを利用したアプローチ、そしてエンタープライズ・ストレージなど利用するiSCSIの両方を同時に使用して、簡単に設定、管理することができていることが最大の利点であり、ネットワーク構成でも高い柔軟性を提供する点も目立つ。

テスト環境は、シノロジーRS815 +のギガビットイーサネットポート4個を自主的適応型ロードバランシングモードへのリンクアグリゲーション構成し、ディスクの構成はシーゲートの6TBのエンタープライズNASモデルのハードディスク4台をRAID 5に構成した。接続されているクライアントは、仮想化環境では、Windows 7クライアント4つをVMごとにギガビットイーサネットポートを1つずつ割り当て受けてNASに接続された。つまり、ギガビット接続のクライアント4台NASの4Gbpsイーサネット接続にアクセスする形だ。

 
▲テストシステムの構成

テスト環境の構成に使用されたシーゲイトのエンタープライズNAS HDDは4〜16ベイのRAIDストレージシステムに最適化され、一般的な7,200rpm一般消費者向けのハードディスクに比べRAID環境での高い安定性と互換性、常時運用されている高負荷の状況でも最適化されたパフォーマンスと信頼性、5年間の限定保証サービスと復旧サービスなどが提供される。 120万時間のMTBFと最大6TBの容量は小さな湾規模のストレージでも大容量を確保して、安定的に使用できる環境を提供する。

テストはIOMeterを利用しており、NASはiSCSI、CIFS、暗号化されたCIFS形で各クライアントに接続された。クライアントごとにテストは最大2スレッドで実行されており、クライアントごとに1Gbpsの接続を持つので、リンクの数とネットワーク帯域幅の増加は比例する。テストは順次送信し、4KBのブロックのランダム転送を通じたIOPSスループットを確認しており、接続方法や暗号化するかどうかなどによる性能の推移を確認することができる。

■中小規模の組織のための実用的な性能

 
▲IOMeter 1.1.0(1MB Sequential Read-iSCSI)、単位MB / s、高いほど良い。

 
▲IOMeter 1.1.0(4K Random Read-iSCSI)、単位IOPS、高ければ高いほど良い。

iSCSIインタフェースでNASを接続した場合は、インタフェースによるオーバーヘッドが比較的少ない方で、ネットワークに接続されたNASの性能をよく反映することができる構成である。順次転送性能では読み取りで4つのクライアント接続時350MB / s、書き込みでは3〜4個のクライアントから約310MB / s程度を表し、4つのディスクの規模のストレージから多数のクライアントが負荷を与える環境であることを勘案すると、使用されたディスクとストレージの両方に満足のいくレベルの性能で見ることができる。

ネットワークのパフォーマンスでは、クライアントが増えるによる帯域幅の合計の変化がよく反映されており、スイッチレベルでのハードウェアサポートがなくても多数のイーサネットポートを単一の接続で構成、第性能を得ることができていることを確認することができる。特にスイッチのサポートがなくても、リンクアグリゲーションを通じた高いネットワーク性能を提供するというのはどのようなインフラでも、基本的な接続のみなら別途費用や構成変更せずに最適化された性能を得ることができることから、大きな利点となる。

多数のクライアントからの要求される4KBランダム読み取り、書き込み操作はディスクベースのストレージでは非常に過酷な条件である。そのせいでクライアントが増えるほど、IO性能は少しずつ落ちるのを見ることができるが、最新世代の大容量ハードディスクのおかげで期待以上のIOPS性能を示している。また、書き込みパフォーマンスはRAID構成でのオーバーヘッドなどに読むよりも性能が落ちる様子だが、DASも大きく負けないほどの性能を確認することができる。

一方、iSCSI環境で見ることができるハードディスクの性能特性の面ではテストに使用されたシーゲイトのエンタープライズNAS HDDはRAID構成などを勘案したときのコストと容量、パフォーマンスの両方を最適化することができる良い選択と思われる。テスト構成がマルチユーザーの同時入出力を想定したが、負荷が大きく上がるもシステムレベルでは期待以上の性能が着実に維持されているのを見ることができるが、これはNASだけでなく、ドライブレベルでもキャッシュと動作アルゴリズムの最適化などが適用されたためとみられる。

 
▲IOMeter 1.1.0(1MB Sequential Read - CIFS)、単位MB / s、高いほど良い。

 
▲IOMeter 1.1.0(4K Random Read - CIFS)、単位IOPS、高ければ高いほど良い。

Windowsの基本ファイル共有規格であるCIFSを使用した共有フォルダ接続でのパフォーマンスは、iSCSIとは全く異なる様相を見せる。 CIFSでの性能はiSCSIと比較すると順次転送では多少有利であるが、ランダム転送での性能は大幅に低下することを見ることができる。また、CIFS単純順次転送では、多数のクライアントとスレッドが負荷を発生させるにもiSCSIより高い、ネットワーク帯域幅で期待できる限界に近い性能が出てくるのが特徴である。

CIFSのシーケンシャル転送で見ることができる特異点は、iSCSIと比較して4つのクライアントの状況で、より高い性能を見せるということだ。読み取りでは4Gbpsのホスト接続を効率的に使用して400MB / s以上の性能を、書き込みパフォーマンスは高負荷な状況でも340MB / s以上を示す。一方、iSCSIの場合には4つのクライアントで表示された合計性能が3つのクライアント時と大きな差はなかった。大容量データの順次転送が多い場合はRS815 +では利便性とパフォーマンスの両方でCIFSがより満足のいく選択である。

一方、CIFSの高いオーバーヘッドに伴うパフォーマンスの問題は、4KBランダム読み取り、書き込みの結果から確認することができるが、iSCSI比大幅にすることができ倍までの差がある。面白い点はクライアントが増えることによって着実にIOPSが上がっているということだが、これはテストに活用されたクライアント側のボトルネックなどが疑われる部分でNASのディスクとコントローラ側はそれなりに十分な処理能力を備えていると解釈することができるだろう。

 
▲IOMeter 1.1.0(1MB Sequential - CIFS、Encrypted)、単位MB / s、高いほど良い。

 
▲IOMeter 1.1.0(4K Random - CIFS、Encrypted)、単位IOPS、高ければ高いほど良い。

CIFSを利用した暗号化された共有フォルダの読み取り、書き込みは、プロセッサに内蔵されたAES-NIを利用するが、多少の性能低下がある。シーケンシャルリード性能は4クライアントになってようやく少しの違いがあるが、読み取りパフォーマンスは暗号化するかどうかによる性能差が大きくない。しかし、書き込みのパフォーマンスはプロセッサの処理性能の限界が結果に明らかに表示され、単一のクライアントではパフォーマンスの違いがあまり目立たないが、3つのクライアント以上から暗号化するかどうかによる性能が明らかに区別される。

RS815 +で暗号化された共有フォルダのシーケンシャル書き込みパフォーマンスは約220MB / s程度の線に見えて、2つのクライアントから3つ、4つのクライアントに移り、パフォーマンスの向上幅は大きく減る。また、クライアントからのスレッドが増えるに従って、ディスク操作の複雑さが増加、性能の低下が来る姿も他のテストに比べて明らかに見ることができる。しかし、RS815 +が配置されている環境は、テスト環境のように過酷なワークロードが同時に入ってくることもないものであり、暗号化書き込み性能自体もメーカーの発表数値を上回る。

CIFSでの暗号化の有無は、4KBランダム読み取り、書き込みテストでも、パフォーマンスに影響を与えるが、その方向性は、順次読み取り、書き込みとは全く違う。順次読み取り、書き込みとは対照的に、4KBランダム読み取り、書き込みで暗号化の有無は、読み取りのパフォーマンスに大きな影響を与えることを確認することができる。一方、クライアントの増加に伴う性能の変化の面では、読み取りでは、着実に上がる姿や書き込みでは、3クライアント以降限界に近づく様子である。

■様々な活用法が魅力的な万能型NAS

シノロジーラックステーションRS815 +は、中小企業の環境レベルに合った性能と、幅広いサービス要求に容易に対応できる機能性の面が魅力的なNASだ。基本的なファイル共有と安全なデータの保存などの期待だけでなく、仮想化とクラウド環境などへの対応も可能とインフラストラクチャの中で突然の役割が変わっても、簡単に対応することができ、追加のパッケージを使用した様々な機能性は、小規模インフラストラクチャでさまざまな機能を統合することができようにして活用性を極大化する。

他の似たような企業NASとの競争でRS815 +が持つことができる競争力はすでに様々な形でその価値を認められたDSMをベースにした使いやすさと管理環境、様々な機能などを挙げることができるだろう。また、NASからの重要なネットワークのサポートと構成でも4つのギガビットイーサネットとスイッチの独立したリンクアグリゲーションをサポート、ルータの設定の自動化などで構成と管理の難しさと手間を減らしたのは、インフラストラクチャの構成と管理環境が劣悪なSMBで魅力的な要素だ。

RS815 +が最もよく似合うほどの場所であれば、各構成要素の役割がよく整理されたデータセンターではなく、様々な環境が混在した小規模の環境では、内外部のネットワークを結ぶ求心点に位置する。このような位置でRS815 +が提供する様々なプロトコルと機能、サービスのサポートと広いネットワーク帯域幅のサポートは散らばっていた各機能のサポートと、複雑な内外部接続環境を簡素化された形で整理することができて、より一層効率的な業務環境を可能にして与えるものと期待される。

一方、24時間365日間作動される比較的少ないストレージ・ベイを持つRS815 +には、これにふさわしい大容量のNAS用HDDファミリを使用することをお勧めする。シーゲートの場合はNAS、エンタープライズNAS HDDなどが該当し、特にエンタープライズNAS HDDは最大16ベイのNAS RAIDシステムに合わせて最適化された。また、一般的なHDDの最大4TBより高い6TBを支援し、8ベイNASや拡張ユニットを構成することも、単純かつ効率的に大容量の環境を構築することができるようにする。

 
▲シノロジーラックステーションRS815 +製品仕様


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