トンネル磁気抵抗効果を利用した画期的なXtremeSense™ TMRセンサーの大手サプライヤーであるクロッカス・テクノロジー (Crocus Technology Inc.,) は本日、より簡素化されたソリューションで高精度な大電流測定を可能にする非接触センサーCT45xファミリーを発表した。既存のソリューションと異なり、CT45xでは、製造業者は高価なシールド、コンセントレータ、またはコアが不要となる。CT452およびCT453は、追加機械部品なしで外部磁場に対する0.7％の絶縁精度、1MHzの帯域幅、および-50dB以上の耐性を提供する。パフォーマンスと精度の組合せにより、製品全体のサイズと重量を削減できることから、大型でコストのかかる電流センスモジュールから小型でシンプルなソリューションへの置き換えが可能となる。

電流要件の増加により、通常は200 A超、2,000 Aまでの大電流を正確に測定するような場合も多い。分離増幅器を備えた並列抵抗は広く使用されているが、I2R損失の問題があり、大きく高コストという傾向がある。ホール効果やAMRなど既存の磁気ベースのソリューションは、精度が低く、温度ドリフトが大きくなる。CT45x製品はXtremeSenseTMRテクノロジーをベースにしており、システム要件、高帯域幅、高速応答時間、一般的なモデルのフィールド除去、および温度に対する高精度の測定に合わせて拡張できる、高い信号対雑音比 (SNR) の非接触アプローチで未来を実現する。

さらに、現在の多くのアプリケーションでは、最大1,000Aレンジまたはそれ以上のミリアンペアの範囲で非常に正確な電流測定が必要となる。一般的に、このタイプのソリューションは、必要とされるシステム性能を達成するために複数の電流センサーを含み、多くの設計トレードオフおよび複雑性を持つ。クロッカスのXtremeSenseTMR電流センサーでは、大きなダイナミックレンジと高いSNRを提供する単一のCT45xセンサーを使用して、妥協のないシンプルなソリューションを実現する。例えば、CT45xでは、0.7％以上の精度を維持しながら、最低500mAの解像度と最大1,800Aまでの測定が可能となる。

CT45xは、0.55mVRMSという画期的な低さのノイズ性能により、アプリケーションがバスバーを介して電流の小さな変化や変動を感知する。この性能は、既存のホール効果ソリューションよりもほぼ10倍優れている。そのため、CT45x測定で77 dBものSNR（信号対雑音比）を得て、システムはより高解像度なデータをより高精度で処理することができる。

クロッカス・テクノロジーの社長兼CEO (President and CEO) であるザック・デイリ (Zack Deiri) 次のように述べている。「非接触センサーCT45xファミリーの導入により、小電流から大電流まで、当社の顧客向けポートフォリオは完全なものとなりました。クロッカスの最先端TMR技術に基づくこの製品は、XtremeSense TMRの利点が、既存のソリューションでは妥協なしには満たすことができないより高い電流アプリケーションのニーズを解決する、当社にとって最もエキサイティングなものです。クロッカスは、BMS、インバーター、DC/DCコンバーターなどの新しい高電流市場に対応できるようになり、嬉しく思います」

製品の機能と性能:

CT450＆CT452 (5 Vバージョン) ＆ CT453 (3.3 Vバージョン)
絶縁型非接触電流センサー
5mAから2,000A以上の電流を測定可能
総合出力誤差±0.7% FS
レスポンスタイム300 ns、帯域幅1 MHz
6つの異なる構成フィールド範囲に対応
オーバーフィールド検出 (OFD) による保護能力
イミュニティ99%以上 (CT452/3) のコモンモード電界除去 (CMFR) 内蔵
均一磁場センシング (CT450)
EV充電器、バッテリー管理システム (BMS)、DC/DCコンバーター、48Vシステム、双方向充電、AC/DCインバーターのアプリケーションに対応。

CT450はTSSOP-8パッケージで提供される。CT452/3はTSSOP-16パッケージで提供される。詳しくは、製品ウェブページを閲覧されたい。

Copyright ⓒ Acrofan All Right Reserved