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Porsche New Panamera 4S試乗記

記事公開日時 : January 14, 2018, 5:49 pm
ACROFAN=權 容滿 | yongman.kwon@acrofan.com | SNS
多くの自動車ブランドのうち、「Porsche」が持つ位相は少し独特で特別である。生まれから今までフォルクスワーゲンとの関係と歴史、そして初期のモデルである356から最新の911まで続いて来るシグネチャのようなデザインとRRレイアウトへのこだわりを現実で素晴らしい結果に昇華させて出すのはブランドに特別なイメージを与える。これにPorscheの車両は高性能のスポーツ指向であるが、通常の似たような車やスーパーカー、ハイパーカーとはまた異なる特別な位置にある。

しかしPorscheも時代の要求に応じて現実を無視するわけにはいかなかった歴史があるが、その中で最も大きな変化はやはり会社を救い出した孝子で以前のPorscheでは想像もできなかったモデルであった、SUVモデル「カイエン」の登場であるだろう。それまでPorscheでは想像もできなかったこのSUVモデルは、いくつかの話があったが最終的に会社を生かし現在も立派なベストセラーモデルでありながら、SUVでも「Porscheらしさ」を見せてくれたきっかけでもあった。

これと共に、かつてのPorscheブランドなら想像できながったと思えるのが、この「Panamera」である。ラグジュアリーセダンの安らかな走行と強力なスポーツカーのサーキット性能という対照的な特徴を一気に込めた「ラグジュアリー4ドアスポーツセダン」を標榜するPanameraは、最初のモデルが2009年に初めて披露され全世界で15万台以上の販売高をあげたところである。そして第2世代でフルチェンジされた新型「Panamera4S」は新しいシャーシプラットフォーム、エンジン、変速機が適用され様々な操作部が大幅にアップグレードされるなどの大々的な変化が行われた。

 
▲フルチェンジされた第2世代、New PanameraはPorscheの最新デザイン言語が反映された

 
▲Porscheの伝統的な曲線を生かした、ファーストバックスタイルの4ドアスポーツセダンのスタイリング

フルチェンジされた第2世代のPanameraはラグジュアリーセダンの安らかな走行とスポーツカーの走行性能という対照的な特徴を高いレベルで両立させた「4ドアスポーツセダン」を標榜し、国内では今年3月にソウルモーターショーで披露したことがあり、 9月から販売と引導が進められている。第2世代モデルではフォルクスワーゲンの後輪駆動プラットフォームであるMSBのプラットフォームをベースとして新しいエンジンと変速機を搭載し、様々な電子機器と一緒に室内ディスプレイなどの各種操作部も大幅にアップグレードしたのが特徴である。

外観デザインはPorscheの象徴のようなモデルでもある最新の911モデルともつながる特有のフライラインを適用し、従来よりも車体が大きくなったのにもかかわらず、洗練されてダイナミックなシルエットを備えている。前面では一つにつながるブラック色の長いバーとより大きくなった空気吸入口が特徴であり、スポーティな側面と果敢な流線型のルーフラインはスポーティなイメージを作る。また背面には4ポイントブレーキなどが含まれた立体的なLEDテールライトと拡張可能なリアスポイラーが4つの排気口とともに独特な雰囲気を作る。

インテリアは未来志向的な方法で再解釈されており、インパネのRPM表示はアナログで残し、残りはすべてデジタルの基盤で繋ぎ、ブラックパネルのディスプレイやインタラクティブディスプレイは車両制御のための実質的要件に合わせて鮮明な画質と直感的なインターフェイスを提供する。また新型のPorscheアドバンストコクピット(Porsche Advanced Cockpit)はコミュニケーションの利便性と補助システムの使用率を高め、マルチタッチジェスチャーのコントロールを支援する12.3インチのタッチディスプレイが含まれている新しいPorscheコミュニケーションマネジメント(PCM)と韓国語支援のナビゲーションなどが適用さされている。

 
▲運転席の周りには新型のアドバンストコックピットとより大きくなったディスプレイを使用しているコミュニケーションのマネジメントが配置された

 
▲4人のための十分な空間と便利機能があるが、後部座席にはいくつかの抜ける便宜仕様は少し惜しい

全長は5,050mm、全幅は1,935mmに達し、ホイールベースは2,950mmであるほど、後輪ベースのプラットフォームであっても十分に後席までゆったりなスペースがあり、特にPanameraは4人乗りの屋内の構成を備えている。しかしユーザーのための利便装置はまだ運転者と同乗者を中心に構成されているという感じが大きいが、空間もゆったりだがシートは後席までスポーツの性格があり、マッサージなどのいくつかの便利な機能が後席には抜けていることもある。これはこの車が高級セダンの性格を備えたが、まだ運転手が中心であることを見せてくれている。

スポーツ性と実用性を両立させるというPorscheの哲学はPanameraでより実用的な姿で見せたりする。基本的に495Lのトランクスペースがあるが、後ろのシート背もたれは40:20:40で折りたためて最大1304Lまで積載空間を拡張することができる。この他にもパノラミックサンルーフは搭乗者に優れた開放感を提供し、Burmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムが適用され高級セダンにふさわしいサウンド性能を提供する。

走行中の安定性を高め日常の快適性を向上させるアシスタンスシステムも基本またはオプションで利用することができる。今は一般化されたセンサやカメラを使用した周辺認識はもちろん、車線維持補助システムはステアリング操作に直接関与する形である。また、熱感知カメラを通じて車両周辺の人や大柄な動物を検出して警告メッセージを伝達する「Night Vision Assistant」と一緒に、オプション仕様である84個のイメージポイントが付いた新しいLEDマトリックスヘッドライト認識された人や動物を照らしドライバーに知らせることまでできる。

 
▲性能と効率性の両方が向上された新しいエンジンと変速機が適用された

 
▲New Panameraの「Porsche4Dシャーシコントロール」の構技術の4つのうち、3つが新しい特徴を持つ

シャーシはフォルクスワーゲンの後輪ベースMSBをベースにすることが知られており、アルミニウムとスチールを一緒に活用したハイブリッド構成のシャーシで、前世代に比べシャーシでは20.2kgが減少した。また、軽量化のために車両の外板はすべてアルミ素材を使用している。この車体をベースに新しい2.9L V6バイターボエンジンと、新しい8段PDK変速機が適用されて高い性能と優れた経済性という両立しにくい課題を立派なレベルで両立させた。新しいモデルの出力は以前よりも20馬力以上増加した440馬力を出すが、燃料消費量は欧州基準11%減らし、国内基準の複合燃費は8.8km/Lである。

新しい2.9L V6バイターボエンジンの特徴は「バリオカムプラス」と「セントラルターボレイアウト」、「セントラルインジェクターポジション」などがある。このような特徴を通じてより高い出力と高速応答性、優れた燃料効率と低い重量中心を達成することができた。最大出力は5,660〜6,600rpmで440hp、最大トルクは1,750〜5,500rpmで56.1kg.mが出る。そして新しい8段PDK変速機は走行モードによる変速パターンの最適化に向上された性能と効率を示し、新しいパワートレインの組み合わせにスポーツクロノパッケージを組み合わせると0-100km/h加速を基本の状態よりも0.2秒もっと減らした4.2秒終わる。

優れた走行性能を生み出すにはシャーシコントロール技術もまた大きな役割を果たしている。新型Panameraでは3つのモードが用意されたアクティブサスペンションマネージメント(PASM)、以前より空気容量が約60%大きくなった3室のエアサスペンション、リアアクスルステアリング、トルクベクタリングが統合されたダイナミックシャーシコントロールスポーツ(PDCC Sport)などで構成された「4Dシャーシコントロール」システムを使用する。これを基盤に鐘・横・縦方向の3つの軸の全方向で運転状況を分析し、これを基に現在運転状況での最適な情報をリアルタイムで計算、適用する。

 
▲メディア試乗会では2.9Lエンジンの4Sモデルが用意された

 
▲試乗車の主要諸元

AcrofanはNew Panamera4Sのメディア試乗イベントに参加し、New Panamera4Sモデルを試乗した。試乗モデルは2.9L V6エンジンを搭載したPanamera4Sモデルで、PASMが含まれたアダプティブエアサスペンションやスポーツクロノパッケージ、スポーツ排気システムなどが搭載されていた。試乗コースはほとんど高速道路と高速化道路中心であるが少しワインディングコースがあり、New Panameraの安らかさと性能、効率の面をある程度味わえる構成でもあった。

初めて車に乗るとシートポジションが調節可能ではあるが基本的にかなり低く、視野はお好みによっては少し苦しくに感じられるかもしれない。ここでファーストバック形状のデザインのせいで後方の視界もあまり広い方ではなく、バックミラーの画角も初めて見るとかなり息苦しい。しかし近距離では車の周辺をすべて照らすカメラとセンサが狭い空間での動きなどを簡単にできるように助ける。インパネの情報操作やインフォテイメントシステムの操作などもハングル化とともにかなりなれた形にすることができるように構成されていた。

空調システムの制御は簡単な温度調節とファンの強度程度だけセンタートンネル側でして、吹き出し口関連の設定などはディスプレイを通じる形であるが、デザインの面で少し仕上げが足りない感じもする。そしてこの空調機の設定を中心に上方のボタンはタッチ、下方には少しごまかしのようなボタン式であるが、操作感は少しがっかりだ。むしろすべてのタッチにするか、あるいはボタンを別に離して置くほうが良かったと思われる。そしてボリュームノブと非常灯のボタンが変速機の後ろにあるが、これもたまに操作の際に変速機が手にかかる場合があった。

 
▲ノーマルモードでパワートレインの印象はまさにガソリンの限界を超えた姿である

走行モードはノーマル、スポーツ、スポーツプラスと個人設定までの4種類があり、ステアリングに設けられたモード設定ノブやディスプレイインターフェイスを通じて変えることができ、設定によってエンジンと変速機、サスペンションの設定が大きく変わる。このうちノーマルモードは日常で快適に走行しようとするときの効率を最大化することができるようにし、サスペンションは路面の衝撃にやさしく対応してロールをある程度スムーズにする。また変速タイミングを前方に引いて、最大の限り低い回転数で日常走行を消化できるようにし、停車時のエンジンスタート、ストップ機能も動作する。

ノーマルモードでは高速化の道を通じてソウルを抜け出しながら変速機の動作に感心した。ノーマルモードでPanameraの変速機は、低負荷状態の走行で1,000〜1,200rpm前後で早く段数を高めていって、規定速度を遵守すると普段は2,000rpm近くも行かない姿を見せる。高回転が可能な高出力のガソリンターボエンジンだが普段はまるで燃費が良く回転数が低いディーゼルエンジンを騒音と振動なしで乗る感じであるほどだ。もう少し力を引き出しても1,500rpm前後から実用的な力が出てくるだけに、息苦しさも大きく感じられなかった。

ガソリンエンジンを低回転数で使うほど車でのエンジンの音はスポーツ性向で少し残しておいても基本的にあまりしない。ここにエアサスペンションが路面の衝撃などをほぼ消してしまって非常に滑らかな道を走るような感じを終始一貫受けられる。電子ステアリングまた路面の衝撃のようなものをほとんど上げ送らない性質である。惜しい点があれば反応が速いデュアルクラッチ変速機からしばしば出てくるものだが、特定の加速状況で2〜3段に切換える時に変速のショックが少し気づきやすいほどに感じられるという点くらいがあったが、良く言い換えるとスポーツ性の高性能変速機が持った性格として感じられると言えるだろう。

 
▲走行モード設定で車の性質を大きく変えることができる

スポーツモードではエンジン回転数の基準が2,000rpm前後に上がり、すでに最大トルクバンドに入ることになるほど車の反応はかなり良くなる。ここにサスペンション設定もまた一段階締められて、性能の面での物足りなさはほとんど感じられない。加速ペダルに力を入れるとターボチャージャーの空気流入んお音が鮮明に聞こえることが独特であるが、まだエンジン音は吸気遮音材の向こうにあるような落ち着きを維持して、音の強烈さが弱いためまるで磁気浮上列車の急加速のような感じもする。常時四輪のおかげなのか加速は迅速なのに非常に安定した感じをくれるのが印象的である。

スポーツプラスモードではエンジン回転数を3,000rpmから使い始めており、サスペンションもローリングを最大限に抑制し締められ、エンジンの反応もかなり鋭くなり、試乗車のスポーツ排気システムはアクセルから足を離すたびに排気の側でまるでバックパイヤリングのように聞こえるほどだ。それでも路面の状態がある程度不良な程度はサスペンション側から衝撃を欠かして非常に滑らかな道を走るような感じを受けるほどだ。特に高速道路の高速クルージングなどから路面の不均一さから来る衝撃の疲れはすっきり通過させてくれるのが圧巻である。

少しのワインディング走行で印象深いのは滑らかな走行と後輪ステアリングとトルクベクタリングでくる、階級を忘れるほどの素早さである。公差重量が2トンに迫る車だが、車の重みや遠心力などが予想よりもはるかに少なく感じられるのは独特な経験である。また、高回転域を使用する加速では滑らかなエンジン回転質感と一緒に5,000rpmを超える時からターボチャージャーが本格的に力を付ける開始し、その以前までの快適では想像できないほどの強烈な体感性能を見せてくれたりした。もちろんその過程全体で、堅いけど不快せず滑らかさを維持するサスペンションの設定はPorscheらしいという感心が出てくるほどだ。

 
▲運転補助装置やナビゲーションなどでは物足りなさ以上に感じられるものもあった

試乗区間が渋滞される高速化道路や高速道路での高速走行、ワインディング走行など、高排気量のガソリンターボエンジンでは悪条件だけがいっぱいだったが、New Panamera 4Sの試乗区間の燃費は往復10km/Lほどで期待を上回るほどであった。おそらくこの区間を他の3Lディーゼルエンジンの車で回っても同様の燃費が出ると思われるほどだ。これもまた日常の性能を両立するというPorscheのヘリテージを最新の技術でつないでいく感じがする。

しかし、最新技術の適用にも惜しい点が残る。最も大きく感じられた物足りなさは車線維持補助システムであるが、このシステムは運転を助けるというより邪魔をするという感じがもっと大きいほどであった。高速化道路などで車線認識はするが、基準を右車線に置いて車を車線中央ではなく右車線にほぼかけるように、あるいはまったく横の車線に渡してしまう場合も発生した。さらにステアリングの踏力に影響を与えるアクティブシステムであるため車線中央を守るには運転者が車と戦うような状況になり、車線維持、認識に加えてリアルタイムでアライメントがねじれるような感じを受けるほどであった。半自律で手置きに行くことができるとするが、実際にした場合は危険かもしれないだろう。

また、インフォテインメントシステムとナビゲーションのハングル化はかなり褒めるほどであったが、相変わらずナビゲーションが韓国の状況とは距離がある。高速道路で加速防止カメラの位置のようなものはよく反映されているが、区間取り締まりについての情報と処理は反映されていないため注意が必要である。もちろんこれはAppleのカープレイなどを使って克服できる部分である。この他にもこの価格帯の車両にHUDを見つけることができないとか、後席の便宜機能が前席より欠けている部分や、ハンプを少しでも高速に超えるとエアサスペンションが衝撃をむしろ弾くような不快感をくれる部分は普通の物足りなさの程度になるようだ。

 
▲感心と物足りなさ、成果と課題という相反する価値も共存するNew Panamera

最近の自動車業界の傾向として「戦場化」が挙げられて、もう完全に機械的な完成度のみで勝負するこだわりはレギュレーションが明確ばレース用車両で見つけそうでことになっている。これに車両の性能はあらゆる電子機器を一緒に見ることがむしろ車の本質の性能をきちんと見れることであると思われる。これに以前のように便宜性などを諦めながら執拗に機械的限界を高めて走行性能を向上させるより、電子機器の助けを積極的に得ることがより現実的な高性能への道になるかもしれないだろう。

スポーツとレーシング、高性能のヘリテージが強く残ったPorscheもまた今の機械的な面での性能向上だけに固執せず、電子機器を通じて以前は両立できなかった課題を両立できるように作っていっており、これにより最もPorscheらしくない価値を最新の技術とともに最もPorscheらしく高いレベルで両立させたのがこの「New Panamera」ではないかという感じもする。特に動力計とサスペンション周辺での電子機器のレベルは、車の階級を超える運動性能をゆったり安らかさと一緒に両立させながら、物理法則を戻す感じも受けたほどだ。

現実的に1億7千万ウォンが超える開始価格に細かいオプションが入ると2億をはるかに越えるこの「New Panamera4S」は、誰にでも乗れる車でないこともありその分期待も高い。しかし、高級ながらもブランドならではのスポーツ性もよく生かし、これを扱いやすくする優れた電子機器のレベルはかなり感心できる。予想できなかったいくつかの物足りなさが少し感じられるが、New Panameraは明らかに新しい時代のための明確な跳躍であり、異質であるがまだPorscheの本質を込めてPorscheの生活を担うモデルとしても地位を固めるとみられる。


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