POSTECH化学工学チャ・ヒョンジュン教授、博士課程パク・テユン氏のチームは、汝矣島聖母病院胸部外科シム・ソンボ教授、大田聖母病院胸部外科イ・ジョンホ教授チームと一緒にムール貝接着タンパク質の相分離現象を利用してコアセルベート剤形に作り、ヒト間葉系幹細胞を簡単に捕集、損傷した心筋組織の間に幹細胞を効率的に伝達して、長い間移植が維持されるようにする「液状接着性細胞伝達体」を開発した。特に、大量生産が可能で心筋梗塞の治療に画期的な方法になると期待される。
心臓は電気的信号によって収縮と弛緩を繰り返しながら血液を循環させる中枢機関である。心臓血管が血栓などにより詰まって心臓に酸素と栄養供給が難しくて筋肉細胞とそれを取り巻く血管が深刻な損傷される。このように心筋壁に壊死が起きて薄くなることが心筋梗塞である。心臓は一度損傷されると自分で再生することができないため、今のところは損傷した心臓筋肉を劇的に再生させる方法はない。だからひどい場合には機械装置を取り付けたり、他の心臓を移植しなければならない。
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心筋梗塞のための幹細胞治療のためには、損傷した心筋の環境に耐えることができる2つの条件が必要である。1番目は心臓の高血圧と速い血流、そして心筋梗塞により薄くなった心筋組織の間に効率的に幹細胞が移植されて長く残るべきである。2番目は移植された幹細胞が既存の周囲組織と迅速に融和して血管を構築し、生存能力を向上させなければならない。しかし、今までの方法は幹細胞が損傷した心筋組織に正常に伝達されて移植が維持されるのが非常難しかった。
共同研究チームは液状のコアセルベートを作る過程で幹細胞が自己捕集されて、このように作られた幹細胞治療剤は薄くなった損傷した心筋壁に注射して効率的に移植した。動物実験を通じてムール貝接着タンパク質素材が持つ粘着性と血管形成能力、そして幹細胞の生体分子的効能をもとに移植された幹細胞が長期間損傷した心筋組織から生存することを確認した。さらに損傷した心筋組織に新しい血管が形成され、既存の心筋細胞の追加的な死滅を防止し筋繊維化を緩和して、損傷した心筋壁を回復することができた。
研究を通じて開発された新しい幹細胞伝達体は、人体に無害な生体適合性バイオ素材を用いたものであるだけに、幹細胞治療剤市場の重要な役割をするものと予想される。
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