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アステラス製薬、「FLT3/AXL 阻害剤ギルテリチニブ」を急性骨髄性白血病の治療薬として日本で製造販売承認を申請

記事公開日時 : April 24, 2018, 11:18 am
ACROFAN=金 炯根 | hyungkeun.kim@acrofan.com | SNS
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、FLT3/AXL 阻害剤ギルテリチニブフマル酸塩(一般名、開発コード:ASP2215、以下「ギルテリチニブ」)について、成人の再発/難治性 FLT3 (FMS-like tyrosine kinase 3)遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病の治療薬として 3 月 23 日に、日本で製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。また、米国においても 3 月 29 日(米国時間)に、同様の対象疾患に対する承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に行っています。

急性骨髄性白血病(AML:Acute Myeloid Leukemia)は血液と骨髄に影響を及ぼし、高齢者が多く罹患するがんであり、加齢とともに患者数が増加します。日本では毎年約5,500人が新たに AML と診断されます(*1)。がん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼである FLT3 および AXL を阻害するギルテリチニブは、AML 患者の約 1/3 で認められる活性化変異(遺伝子内縦列重複変異(ITD:Internal Tandem Duplication)とチロシンキナーゼドメイン変異(TKD:Tyrosine Kinase Domain))FLT3 を共に抑制します。

ギルテリチニブは 2015 年 10 月に先駆け審査指定制度(*2)の対象品目に指定されており、日本での製造販売承認申請が世界で初めての申請となります。ギルテリチニブの日本での製造販売承認申請には、成人の再発/難治性 FLT3 遺伝子変異陽性 AML 患者を対象とした第 III 相 ADMIRAL 試験のデータが含まれます。

■ギルテリチニブについて

現在、アステラス製薬は、日本を含むグローバルですでに開始されている複数の第 III 試験により、各種 AML患者集団においてギルテリチニブの有効性および安全性を検証しています。

ギルテリチニブは、寿製薬株式会社との共同研究により見出されました。アステラス製薬はギルテリチニブについて、全世界での開発、製造ならびに将来的な商業化に関する独占的な権利を有します。ギルテリチニブは、米国 FDA よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)およびファストトラックの指定を、欧州委員会よりオーファンドラッグ指定を受けています。また、厚生労働省より「初回再発又は治療抵抗性の FLT3 遺伝子変異陽性AML」を予定される効能・効果として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定、および「FLT3 遺伝子変異陽性 AML」を予定される効能・効果としてオーファンドラッグ指定を受けています。

■ADMIRAL 試験について

第 III 相 ADMIRAL 試験は、AML に対する一次治療後に再発した、または治療抵抗性の FLT3 遺伝子変異陽性の成人 AML 患者を対象として、ギルテリチニブと救援化学療法(*3)を比較する非盲検(*4)多施設無作為化試験として実施されています。本試験の主要評価項目は全生存期間(OS:Overall Survival)および CR/CRh 率(*5)であり、試験は現在も進行中です。本試験では骨髄あるいは全血において FLT3 遺伝子変異があると中央測定機関(*6)で判定された患者 371 名が組み入れられました。患者は 2:1 の割合でギルテリチニブ(120 mg を 1 日1 回)または救援化学療法のいずれかを投与する群に無作為に割付けられています。

*1 :KantarHealth.TREATMENT ARCHITECTURE:JAPAN LEUKEMIA,ACUTE MYELOID.CancerMPact(R)Japan,February 2017.

*2 先駆け審査指定制度:先駆け審査指定制度の内容は、(1)優先相談、(2)事前評価の充実、(3)優先審査の 3つの取り組みで期間の短縮を実施、(4)審査パートナー制度(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構が実施)、(5)製造販売後の安全対策充実の 2 つの取り組みで、開発の促進を支援するもの。

*3 救援化学療法:主に血液がんにおいて、一次治療の効果が得られない場合(治療抵抗性)、または一次治療後に再発・再燃した場合に用いる治療法のこと。サルベージ療法と呼ばれることもある。

*4 非盲検試験:被験者にどの治療が割り付けられたかについて医師、被験者、スタッフ全員に知られている試験のこと。

*5 CR/CRh 率:完全寛解(CR)と部分的血液学的回復を伴う完全寛解(CRh)の割合のこと。

*6 中央測定機関:多施設共同で行う治験において、臨床検査の測定における施設間差を臨床検査値の集計に持ち込まないために、プロトコルが要求する臨床検査を 1 つの測定機関で測定することがある。

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